マンション管理士の独り言・・・1318

マンション管理士の独り言・・・1318

「もうかる法則」

マンションには最新の設備が備わっています。そして故障なく快適に使用するためには日ごろのメンテナンスが欠かせない設備もあります。

エレベーターや給水ポンプ、宅配ボックス、自動ドアなどがそうです。

これ以外にも毎年の管理費支出に計上されるものとして消防設備などがありますが、半年に1回の機器点検、毎年1回の総合点検がそうです。

これらは法により点検が義務付けられているものですが、上記設備の点検はエレベーターの年1度の法定点検以外は法により義務付けられた点検ではありません。

この点検が結構な金食い虫です。しかも他社に変更しようとすると、中々そう簡単にはいかないというものばかりです。

エレベーターのメンテナンスは、変更しない限りマンション分譲当初に決められたメンテ会社が行います。多くの場合、メーカー系で日立製エレベーターならば日立ビルメンテナンスが、三菱製エレベーターならば三菱ビルテクノサービスが、というふうになっています。

割高だと感じた管理組合が独立系メンテ社へ変更することもアリですが、部品の供給が遅れ気味なので、多くの場合躊躇してしまいます。

給水ポンプに関しては、2大メーカーは荏原と川本です。

直結増圧給水の場合には、出来るだけ年1回のメンテを行うようとなっていますので、ポンプメーカー系列の設備業者がメンテを行うことになります。

市内設備業者は、荏原と川本に2分されています。荏原のポンプが故障しても川本系の設備業者は補修を行ってくれません。やんわりと荏原系設備業者を進められます。

宅配ボックスの場合は、もっと顕著です。メンテ費用が利益の大部分じゃないかと思われるほど、メーカーのメンテを要求してきます。

宅配ボックスメーカーには大きく3つあり、日本宅配システム、フルタイムシステム、ナスタです。

このうち日本宅配システムは毎月のメンテナンス契約は必須です。メンテナンス契約なしでボックスの入れ替えを求めましたが断られました。

フルタイムシステムも、メンテ契約を求めますが柔軟に対応していただけるってイメージです。ナスタは、買取Ok,メンテ契約なしでもOKです。

自動ドアもメーカー系のメンテ契約が入っている場合がほとんどです。しかし金額面で優位性のある富野の田村産業へ乗り換える管理組合さんが増えてきました。

マンション購入者や管理組合は、エレベーターや宅配ボックス、給水ポンプメーカーを「〇〇にしてほしい」とか「△△メーカーを導入してね」って依頼したわけじゃありません。

売主さんやゼネコンさんが自分たちの好みや都合でこれら設備メーカーを選定しています。

購入者や管理組合から見れば言わば“お仕着せ”の設備メーカーです。

しかし一旦導入された以上、ずっと長いことこれらメーカー系メンテ社さんとお付き合いをしなければなりません。

上手な仕組みです。