マンション管理士の独り言・・・131

「新築マンション購入法  その10 管理規約」

実際目にしたひどい管理規約
1、総会出席の際の委任を受けられる人(受任者)を“その区分所有者の配偶者または同居する血族1親等に限る”としたもの
都合がつかず総会に出席できないので、委任状を提出しようとする場合に、上記の様に規定されていたら、自分の奥さん(または主人)か、子供にしか委任できません。
仲の良いお隣さんとか、理事長にさえ委任できません。
ずいぶん前の管理規約なら仕方ないかも知れませんが、現在分譲中の規約にも規定されているからビックリです。
これなら総会が成り立たないと思いますが、なぜこのようにしているのか、さっぱりわかりません。早急に改正が必要です。

2、“この管理規約は3名の区分所有者が捺印したものを規約原本とし、発効する”

標準管理規約では、区分所有者全員が署名捺印したものを規約原本とすると規定していますが、これだと管理会社が大変なのでしょう。
しかし、たった3名捺印したものを規約原本としてしまうというのも随分乱暴な話です。これも最近分譲されたマンションの規約ですからビックリ×2です。

3、“総会開催は、年度終了後4カ月以内に開催する”
年度が終了して4カ月も経って総会を開催しても随分前のことを思い出しながらになることが想定され出席者も少ないでしょうし、活発な議論が交わされるとはとても思えません。ちなみに、区分所有法は年度終了後1カ月以内、標準管理規約では、同2か月以内です。
ビックリ×3です。そして極め付けは4です。

4、“管理組合は、 (中略) マンション管理士など専門的知識を持つものの助言指導を受けることが出来る”
標準管理規約では第34条に規定されていますし、最近分譲のマンションではほとんど全てでこのように規定されています。
ところが、この部分がそっくり抜け落ちたマンションがあります。悪意としか思えません。マンション管理士のような専門家が入ると何かまずいことでもあるのかな・・・と思っていたら、この管理会社はやがて倒産しました。
しかも管理組合の財産を悪意流用して。
「丸美」です。ビックリ×4です。
これらすべての規定は有効です。当事者双方がこれでいいよって合意したものは、公序良俗に反しない限り有効です。またまた出てきました。私的自治(契約自由)の原則でした。