マンション管理士の独り言・・・1326

マンション管理士の独り言・・・1326

「台風一過」

北九州を直撃した台風14号は、思ったより強くなく、被害もそれ程でもなかったようです。

通過後お世話しているマンションを巡回しましたが、いまのところ被害報告もなく先ずは一安心です。

マンション管理に携わるものとして、台風が直撃という情報が出されると気が気でなりません。

川沿いのマンションでは氾濫の可能性もあるので、1階住戸には“イザというときのために2階の集会所を開けています”とアナウンスも行います。

その晩は晩酌もやめ、いつでも出られるようにヘルメット・懐中電灯を枕元に用意します。つぶやき主が出て行っても事態が好転することはありませんが、業者さんへ現場確認したうえでの連絡が出来ます。

幸いにも緊急連絡は入りませんでしたので、良かった、良かったです。

事務所近くで大規模修繕工事をやっているマンションがありますが、台風に備えて前日には足場に組んだネットを外していました。

台風に備えてネットを外し、通過後またネットを張り、という地道な作業をしなければなりませんが、これら作業1回あたり大体10万円ほどかかります。

大規模修繕工事が9月にかかる現場だと予め3回くらい台風が通過すると見越して30万円くらい予算化している業者さんもあります。

台風通過後、各マンションを巡回しましたが、メールコーナーが水浸しのところがありましたが、それ以外では目立った被害はないようです。

鹿児島では大規模な停電が発生し、復旧にも長く時間がかかっているようです。

北九州では、停電もなく本当に良かった、良かったです。

しかし今後はバルコニー隔て板の破損などの報告が挙がってくることが考えられます。

1枚補修するのに4万円程度かかります。

以前はこの補修を保険で賄っていましたが、最近ではうかつに保険金請求すると次回更新時に保険料が高くなってしまうので、検討が必要です。

特に保険更改が近づいているマンションは要注意です。

更新前2年間で5回以上の保険金請求を行うと確実に次回保険料に影響を及ぼします。

支払われた金額ではなく、回数です。

4万円くらいなら管理費で負担する方が得な場合があります。管理会社さんや保険代理店とよく打ち合わせしなくちゃ、です。

台風が直撃すると目に見える被害がなくても、お金がかかっちゃいます。

北九州の場合、1時間当たりMAX50mmの降水量で側溝など雨水処理が設備されています。それを超えちゃうと処理しきれなくなり、逆流することも懸念されます。

このところの台風は「大型で強い」というのが多くなっています。

マンションの排水計画を含め今までのような設計基準や設備・仕様では間に合わなくなっているようです。