マンション管理士の独り言・・・1327

マンション管理士の独り言・・・1327

「高齢化」

先日、つぶやき主がマンション管理士駆け出し当時にお世話した管理組合の理事長さんからお電話がありました。

このマンションでは理事長は輪番制で就任するようになっており、一回りしてまた理事長職が巡ってくるというお話でした。

17年ぶりだそうです。つぶやき主を含め皆さん17歳年取ったことになります。

50歳だった方は、67歳。60歳だった方は76歳です。

平成30年のマンション総合調査では、世帯主の年齢について「60歳代」が27%、「50歳代」が24%、「70歳代」が19%です。

世帯主が50歳以上の割合は、なんと89%に上ります。

平成30年調査でこの数字ですから、現在ではもっと高齢化が進んでいるのは間違いありません。

マンションには二つの高齢化があるといわれますが、一つは建物の高齢化、そしてもう一つは住んでいる方の高齢化です。

建物の高齢化の方は、計画的な大規模修繕工事により、リフレッシュできますが、人間の方はそうはいきません。

永いことお世話しているマンションでは、お亡くなりになられる方も増えてきました。

また、輪番制で一回りしてまた役職が回ってきた方と顔を合わせると、すっかりお年寄りになられています。

相手から見れば、つぶやき主さんも“年取ったね”でしょう。

“お年寄りばかりになり、管理運営が立ちいかなくなった”というご相談も増えています。

また、“75歳や80歳になったら理事に就任を免除されるというように総会に諮ってよ”というご意見をいただく機会も増えてきました。

そのご意見を理事会で報告すると、“そんなこと言ったら、あと5年もすればみんな年齢による免除になっちゃうよ”と反対意見が出されます。

滑り台や砂場があるマンションでは、“入居当時は小さな子が沢山いて、子供のはしゃぎ声がやかましいくらいだった”という昔話をよく耳にするようになりました。

その滑り台や砂場は、今では誰も使われなくなっています。

組合員の高齢化により、駐車場も余ってきます。駐車場収入が入ってこなくなり、管理組合財政を圧迫します。

せめて相続が発生した場合、相続人がためらいなく相続してもらえる(売ろうと思えば売れる、貸そうと思えば貸せる)マンションにしておかなければなりません。