マンション管理士の独り言・・・1328

マンション管理士の独り言・・・1328

「エアコン室外機」

大規模修繕工事を代表としてバルコニー補修を行うときには、足場を組みます。

足場を組まないといちいち住戸内を通らなければならず、家具やクロスを汚す恐れがあるし、何より入居者さんとの入室時間の調整に大変な手間・時間がかかります。

対象住戸がすべて日中在宅なんてあり得ませんから、施工スケジュールも効率悪いものになってしまいます。

スケジュール調整費の方が足場を組むより高くついてしまったりします。

施工会社、職人さん、入居者さんも嫌がりますから足場を組みます。

そしてバルコニー床や外壁タイル・塗装の補修を行います。

バルコニーには色んなものが置かれています。植木やプランタン、ゴミ箱をはじめとして倉庫まで設置している方がいます。

これらはバルコニー床補修をする際に工事の邪魔になりますので、予め室内へ移動してもらわなければなりません。

それが面倒なので、「ウチはしなくていい」なんて言い出す人も出てきます。

重たいものの移動については、工事作業員が手伝ったりしますが、その住戸の方で移動するのが基本です。

どの住戸にもあるのがエアコン室外機です。1機や2機、多いところでは3機据え付けられています。

これらも本当はその部屋の住民で室内へ移動していただきたいのですが、中々そうはいきません。

設備屋さんへ移動(脱着)をお願いすると1機あたり2~3万円ほどかかります。

ガスを抜いたり、再設置後はガス充填などもあるので、このくらいの費用が掛かってしまいます。

“移動費用を管理組合で負担してよ”なんて言われる方がいますが、設置されている室外機の数がそれぞれ異なりますので、一律管理組合が負担すると公平でなくなってしまうのでNGです。

以前は、“費用がかかるけれど、各自ご負担して移動して下さい”が主流だったのですが、いつの頃か補修業者さんが行うって変わってきました。

最近では補修業者さんが移動させて行うのが主流になっているので、“室外機はそのままでいいですよ”ってことになります。

室外機移動を設備屋さんに依頼するのではありません。職人さんが、少しずつ移動させながら補修工事を行うのです。手慣れたもので上手に少しずつ移動させながら工事を行っていきます。

それでも再設置後、エアコンの効きが悪くなったとか、室外機に傷がついたという苦情がないわけではありません。

苦情についても“管理組合は関与しないので業者さんと当事者同士で話し合ってね”となります。

倉庫が厄介です。中のものを出して空っぽにしてもらっていても、その倉庫が古いものだったりすると形が崩れたり、錆びた部分が抜け落ちたりします。

業者さんは嫌がりますが、移動しなければ補修工事が行えません。

事前に入居者さんとそういう恐れがあるということを打ち合わせてからの移動となります。

足場を組んでの作業ながら、入居者さんの生活に入って工事を行うことになりますので、その方のご協力とご理解が注意です。