マンション管理士の独り言・・・1333

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「共用部検査」

20日から22日までの3日間は竣工2年目マンションの共用部検査でした。

解放廊下や屋上の他、アンケートに不具合アリと回答されたお宅のバルコニー検査です。

ゼネコンさんと売主さんとつぶやき主とで3日間30件超検査してきました。

正直なところ塗膜が剥げたりタイルが剥離するなど、これらの不具合が現れてくるのは5年過ぎた辺りからなので竣工2年目では健全なのが当たり前です。

そんなに不具合は見つかりません。

本当は、竣工後5年過ぎた辺りで検査したいのですが、瑕疵担保責任期間(契約不適合期間)が竣工後2年なので、この期間に検査することとなります。

品確法(住宅の品質確保に関する法律)では雨水の浸水を妨げる部位や主要構造部については、保証期間が10年とされていますが、タイルや塗装などは外観デザインや化粧部分とされていますので主要構造部(コンクリート躯体)には入らず、剥離や剝落は品確法の対象とはなっていません。

それ故にこの時期にタイルの浮きや塗装の剥げ状態を検査することになります。

アンケートでは、鳩の糞に悩まされているというお宅がありました。バルコニーを確認すると確かに手摺上部が白く汚れています。

しかしこれは鳩の糞で汚れているのではありません。

バルコニー天井(上裏)を見ると微細なヒビ(クラック)が見られます。

そこに雨水が浸入し、セメント質が垂れてくる白華(エフロエッセンス)という状況です。

ヒビを補修する必要があります。

お住いの方は気が付かない、微細なクラックが何か所も発見されます。

ゼネコンさんも後から後から出てきて、その都度対応するよりも、一度に発見された方が、補修段取りも行いやすいのです。

また、雨水竪樋の掴み金物に錆が見られます。以前は掴み金物にスチールを使用していましたが最近ではステンレスが一般的です。このマンションではSUS304という良質なものを使用していますが、発錆が見られます。どんなに良質なステンレスでも曲げ加工したりすると少しだけ磁器を帯び、ほんのちょっとだけ磁石がくっ付きます。

錆の大部分は、他から飛んできた“もらい錆”だと思われ、市販のさび落としで磨けばすぐに落ちます。やはり、日ごろのメンテナンスが欠かせません。

竣工後2年くらいのマンションなので、小さなお子様のいる家庭が多く、アチコチで子供さんの遊び声が聞こえてきます。

小さなお子さんの遊び声が聞こえてくるのは新築マンションくらいです。

築後10年も経てば小さなお子さんも中学生や高校生になります。

以前は遊ばれていた滑り台やシーソーなどの遊具が今では誰も使うことがなく、砂場にひっそりとしているマンションばかりです。

しっかりとした長期修繕計画のもと、健全な建物管理が行われるよう願うばかりです。