マンション管理士の独り言・・・1341

マンション管理士の独り言・・・1341

「ワンウェイ」

新築間もない100戸超のマンションですが、そこのフロントマンから相談を受けました。

「管理人さんが常駐しているけど、入居者からの問い合わせが多くて、通常の業務に支障が出てる。何とかなりませんか?」ってご相談です。

マンション管理士としてご当地でもう15年以上活動していると、いろんな管理会社さんの支店長さんはじめ、フロントマンとも親しくなります。

そのフロントマン曰く「支店長や先輩に聞くより先ずはつぶやき主さんに聞きます」って人が増えているそうです。

詳しく聞いてみると、入居者はリビングにある住宅情報盤から管理人さんへ問い合わせしてくることが多いということがわかりました。

管理室内にも各戸にあるような住宅情報盤が備わっており、オートロックを解除することが出来たり、入居者と会話できるようになっています。

通常は、管理人さんから各戸へ連絡は出来るけれど、入居者からは管理人さんへは連絡できないように設定します。

勿論住宅情報盤そのものには、管理人さん⇒入居者、入居者⇒管理人さんへ連絡できるようにツーウェイの能力が備わっています。

しかし、これだとご相談のように入居者からの問い合わせがひっきりなしとなる場合があるので、管理人さん⇒入居者への連絡のみ可能とするワンウェイとする仕様の管理組合さんがほとんどです。

マンション分譲時に売主さんの“販売に資する仕様”意向で、ツーウェイとされているのです。

管理人さんも日常清掃や照明点検など通常の業務があり、管理人室に閉じこもってばかりではありません。

不在時に入居者からの電話に答えることができず、“管理人さんはいつも留守していて頼りにならない”なんてクレームに発展することもあります。

ワンウェイに変更するようお勧めしました。

しかしツーウェイからワンウェイへの変更には大変な作業が伴います。分譲時に決まっていたことを途中で変更することは、かなりハードルが高い作業です。

先ずは理事会の承認が必要ですが理事会では判断できず、アンケートを取ったり、総会で承認を得ようとなる場合だってあります。

照明器具の点灯時間をはじめ細々として生活のルールもそうですが、分譲当初に設定されていたことを途中で変更しようとすると大変な作業となる場合がほとんどです。

最近新築マンションの管理会社フロントマンと話す機会が多いのですが、新規開発時にもう少し管理現場の声を聞き入れた仕様設備にならないものかという感想を持っている方が多いという印象です。

こりゃ管理が大変だな、見かけは良いが管理にお金がかかるな、大規模修繕工事時には余計なお金がかかるな、ってマンションは一目見ただけで分かるようになっちゃいました。