マンション管理士の独り言・・・1350

マンション管理士の独り言・・・1350

「誌上セミナー・・・排水」

前回の給水に続き今回も「水」の関してのお話です。今回は排水です。

排水は大きく分けて3種類あります。

台所やお風呂・洗面所から出される排水は「雑排水」。トイレからの「汚水」。(この2つを生活排水と呼ぶ)降雨時に屋上からの竪管を伝わって処理されるのが「雨水」。

地域によって排水処理方法は異なりますが、「分流方式」とは雨水と生活排水とをそれぞれ別の下水管路によって処理する方式です。雨水は竪管から地下の雨水用管路を経由して直接川へ戻されます。また、生活排水は地下汚水用管路を通って浄化センターで浄化処理されます。

「分流方式」は雨水と生活排水とを一緒に処理する「合流方式」に比べて自然に優しい方式です。

北九州には浄化センターが5か所あり、5か所の浄化センターでは1日で約40万トン(市庁舎約4杯分)の雑排水をキレイに浄化しています。

大腸菌数やBOD(生物化学的酸素要求量)などの検査を行って最終的には川や海へ流されています。

マンションでいう「合流方式」は公共団体が使う「合流方式」の意味とは異なり、敷地内で雑排水と汚水とをまとめて排水処理することを言います。

マンション敷地内のマンホールを開けてみればわかりますが、雑排水と汚水とが一緒に排水処理されている場合がそうです。

各戸での処理は雑排水と汚水とは別々の経路ですが、敷地内マンホールでは同じく排水処理されていることを指します。

雨水に関しては、屋上からの竪管を経由してそのまま川へ戻されています。

マンションでは2年に一度くらいの頻度で雑排水管高圧洗浄を行います。

マンションの戸数にもよりますが、戸当り5,000円程度かかります。

高圧洗浄車で排水管の中をスクレイバーが逆噴射しながら自ら進んでいき、排水管の中にこびりついたラードなどを洗浄していきます。

洗浄作業を行わないと、排水管内にこびりついたラードがスライム化し、やがてスケール化(魚のウロコ状態)し、それがカサブタが剝がれるように排水管にピンホールを生じさせることとなります。

排水管高圧洗浄作業を行うのは、台所・洗面台・お風呂です。

トイレ(汚水)については使用するたびに大量の水で洗浄しますので、行う必要がありません。高圧洗浄車とコンプレッサーでの洗浄とでは、圧に違いがありやはり高圧洗浄車の方がキレイになるようです。

築20年を超すくらいから高圧洗浄の頻度を2年に一度から毎年に増やすマンションが増えています。つぶやき主もそれをおススメしています。

排水経路は最上階から2階までが一つと、1階のみは単独経路となっています。

ピロティ(下駄ばき)マンションでは、最上階から3階までが一つの経路、2階が単独経路です。

これは1階を上階全ての排水管の終着にしちゃうと、もしも排水管が詰まって逆流した時の被害が甚大なので1階は上階の排水経路を受け持つことなく単独経路としているのです。その代わり2階やピロティマンションの3階が上階からの排水経路の終着となるので、ここでの逆流事故が増えています。

逆流事故が起きれば多額の補修費用が必要になります。

上階の人が使用した排水が台所流し台から逆流し吹き上げ、床に染みこむのです。

気持ち悪くてキッチン総入れ替えになっちゃいます。

こうならないためにも2年に1度、築20年を超えたら毎年の高圧洗浄をおススメします。