マンション管理士の独り言・・・1356

マンション管理士の独り言・・・1356

「商売あがったり」

毎年この時期になると3月竣工物件の内覧会同行のご依頼が増えます。今年も例年同様、内覧会同行のご依頼があっています。

しかし今年が例年と違うのは、同行のご依頼に対しつぶやき主からお断りさせていただくケースが増えていることです。

やりたくないからではなく、出来ないからでもなく、ましてやご依頼主に反発しているからでもありません。折角のご依頼をお断りするのはまことに心苦しいのですが、お断りするしかありません。

お断りする理由はただ一つ、内覧会同行を行う意味がないからです。

内覧会同行は、購入された住戸(専有部分)の施工精度をレーザー水平器などを用い検査するものです。

廊下階段・外壁・屋上などの検査は行いません。行いたいのですが売主さん・施工会社さんのお許しが出ないので、実施できません。

内覧会同行を行う意味がないというのは、いくら専有部分が上手に仕上がっていても、施工精度が高くても、見えない部分や共用部分がキチンとできていないということが既にわかっているからです。

専有部分がいくらきれいに仕上がっていても共用部分がいい加減な工事なので検査しても仕方ないでしょう、ってことです。

なぜ、見てもいないのに、検査してもいないのにいい加減な工事とわかるのか?って言われれば建築工期からして、十分な養生期間が取れていないのは明らかだからです。

建築工期が短かくても竣工時期は伸ばせませんので、養生期間を短縮する、それぞれの工程を少しずつ短縮する、しかありません。

あるいはコンクリート打設には向かない天候だけど無理して打設する、塗装するには温度が低すぎるけど塗ってしまう、って無理した施工を行うってことも考えられます。

竣工当初はきれいに仕上がっていても、3年もすれば外壁塗装は剥げだし、タイルも剥離し、その他いろんな部分で躯体の不具合個所が出てくることが予想されます。

また、つぶやき主の内覧会同行は、事前にその物件の重説や管理規約を読み解いてレポートにし、2時間程度かけて依頼主にご説明します。

内覧会同行のご依頼をお断りしている物件は、説明時に、その物件に“ダメ出し”を付けることにならざるを得ません。

建築工期のみならず、“これはいかんでしょう。法に違反していない”っていうレベルの管理形態や駐車場使用形態です。

駐車場使用形態については、北九州に根を張る悪しき“分譲駐車場”ですが、それに輪をかけて将来管理組合さんにトラブルの種をもたらす販売方法です。

内覧会同行のかき入れ時だっていうのに、こっちから断ることになってる。シッカリしたキチンとしたマンション建ててくれないと商売あがったりじゃん、です。