マンション管理士の独り言・・・1361

マンション管理士の独り言・・・1361

「如月」

1月は“行く”、2月は“逃げる”で、あっという間に2月です。まさに「光陰矢の如し」。

2月は旧暦“如月”(きさらぎ)です。こんな読み方、知っていなければ絶対読めません。

これは、「着てさらに着る」厚着をしないと耐えられないほど寒いっていうのが語源のようです。

如(ニョ)という言葉は、“そのとおり。~のごとく。”という意味ですが、この下に心がつくと大きく意味が違ってきます。

「恕」という言葉は、論語にあり、弟子の子貢が孔子に対し「人間として1番大切なものは何でしょうか?」と問いかけます。孔子は、「それは恕である。即ち己の欲せざるところ人に施すなかれ」と答えました。自分がされて嫌なことは人にしてはいけない、って意味です。

もっと早くに知っていれば人望厚かったのに、↘↘ と後悔しています。「後悔先に立たず」。

この「恕」という言葉はどこにでも誰にでも通用する大事な言葉ですが、特にマンションライフには必要です。

上下階の騒音トラブルを始めとするマナー違反、駐輪場での自分の場所確保、来客用駐車場の個人使用、ゴミ出しマナー違反、ペット無駄吠え、など「恕」を知っているの?守っているの?って事例は枚挙にいとまがありません。

マンションライフは壁1枚・床や天井1枚でお隣さんです。どんなに堅牢な造りにしていたって騒音や臭気は漏れてしまいます。「恕」です。気を使いましょう。

分譲マンションは不動産です。所有権を登記します。一旦購入したマンションを売却しようとすると大変な手間と手続きと費用とが必要になります。

マンションを売却しようとすると、まずは不動産屋さんにいくらで売れるのかを調査するために査定を依頼します。

その上で近隣の売買事例や競合物件をにらみながら販売価格を決定します。

そして仲介を依頼する不動産屋さんとの間で不動産売買仲介契約書を締結し、実際に販売となります。

売れた場合に備えて新居を探すこともしなければなりませんが、販売開始と同時に新居へ転居する場合もあります。

売買住戸を“もぬけの殻”にした方がオープンハウスなどがしやすくなり、それだけ売りやすくなるからです。

購入者が決まれば、代金決済、所有権移転登記、抵当権抹消登記などの手続きとなります。

売却額でローン残債を賄えないときは、自己資金(追い銭)だって用意しなければなりません。

車を売ったり、中古車を買ったりするのと訳が違います。

考えて考え抜いて、終の棲家にしようと購入したマンションです。

交通アクセスや日常の買い物などの利便性も言うことなし、設備も整っていて、外観も素敵、いつもきれいで清潔、管理も行き届いている、いいマンションなのに・・・。

そこに住まう人の心無い行為やマナー違反で、“こんなマンション買うんじゃなかった”って後悔する人をたくさん目にしてきました。

どんな人が住まうのか?皆がマナーやマンションルールを守るのかなんてことは住んでみなけりゃわかりません。

でも、購入者全員は「マンションルールを守る」って約束して入居しているってことを忘れてはなりません。「恕」です。