マンション管理士の独り言・・・1362

マンション管理士の独り言・・・1362

「急激な寒さに弱いマンション設備」

立春が過ぎ、暦の上ではもう春です。と言いながらもまだまだ寒い日が続きそうです。

1月終わりの寒波には往生しました。アチコチのマンションで設備の不具合が出ました。

特に屋外に面している機械物設備に不具合が発生しました。

先ずはオートロック扉です。ドアが開いたまま動かない、途中までしか開かない、開閉を繰り返す、鍵が回らない、などの症状です。

これら不具合の原因のほとんどは赤外線センサーの誤作動によるものです。

起動用の上部センサーや挟まれ防止用の補助センサーに雪や水滴が付着したり、吹き付ける雪で一時的にセンサーが誤作動したものでした。

また、自動ドアの扉の隙間や床レールに溜まった水が凍ったことが原因の場合もあります。

続いては機械式駐車場です。機械式駐車場は屋外に面していますので天候の影響をモロに受けてしまいます。

ここでもセンサーの誤作動が見られます。

雪や凍った水滴によりセンサーが遮断されてしまい、機械式駐車場が「安全に入出庫できる状態ではない」と判断するため機械式駐車場が動かなくなってしまいます。

また、機械式駐車場は多くの部品が組み込まれ、稼働しています。駆動部分に関する部品が凍結してしまった場合はレール上の車輪が空回りしたり、センサーのスイッチが凍結した場合はスイッチが元に戻らず装置が停止する恐れなどがあります。チェーンが凍ってしまい、固着してしまいました。無理に稼働させた挙句にチェーンそのものを取り換えるしかない、って場合も生じます。

専有部分では、バルコニー内のスロップシンクの排水管が凍結によりヒビが生じました。これはもう取り換えるしかありません。チャンバー内の給水管には断熱シートなどで被覆していますので、凍結は見られませんが、バルコニー内のスロップシンクまでは気が回らないお宅もあるようです。今回は給湯器の不具合は発生しませんでしたが、過去には管内の水が凍ってしまい、お湯が出ないということも発生しました。

機械設備ではありませんが、エントランス床が凍りそこで足を滑らせての転倒事故も心配のタネです。転倒防止には床タイルは10cm×10cmくらいのサイズを用い表面をガサツかせ、目地部分を沢山いれることが有効なのですが、デザイン上40cm×40cmなどの大判タイルを使用することが多いようです。

これだと目地部分が少なくなってしまうので、スリップ転倒事故が増えちゃいます。

凍っていなくても雨で濡れている状態でも、靴底素材でスリップしちゃいます。特に危ないのがクロックスです。“ちょっとそこまで”のお出かけにはクロックスが便利なのですが、スリップ事故が多いということにご注意ください。

2月終わりか3月初めには、“なごり雪”が降ります。事故・不具合が発生しないようにイルカさんにお願い、です。