マンション管理士の独り言・・・1365

マンション管理士の独り言・・・1365

「管理組合と町内会(自治会)・・・その2」

つぶやき主は快適なマンションライフのためには、共用部分や敷地の維持管理を担う管理組合と、地域の安全安心やコミュニティ形成を司る自治会とが車の両輪でどちらも欠かすことが出来ないと考えています。

分譲マンションは地震や強風などの災害そのものに対しては、とても強く造られています。最近のマンションは震度7の地震があっても、建物は少しは崩れるかもしれませんが、中にいる人は安全っていう造りになっています。もちろん台風などで崩壊することはあり得ません。

ところが、地震や台風などの自然災害が過ぎた後の停電にはからっきし脆いのです。

地震の後に停電は発生しやすいですし、台風後は海水が電柱にまとわりついて停電が発生しやすくなります。

ドカ雪の重さで電線が切れてしまって停電なんて言うのはワイドショーなんかで良く見る映像です。

マンションは設備が整っているが故に停電には脆弱なのです。

停電となれば専有部分内の電気が使えなくなるのは当たり前ですが、廊下階段などの照明も非常用電灯以外は消えてしまいます。

オートロックや宅配ボックス、機械式駐車場があればそれもストップしてしまいます。

それだけではありません。エレベーターが動きません。

地震や停電時には非常用バッテリーが作動して最寄り階へ着床します。

そしてドアが開いて中の人が下りたら、それでストップしてしまいます。

病院などに備え付けられている自家発電装置のように通電するまでの間、電力が賄えるって能力はありません。

エレベーター内のバッテリーは、かご内にいる人の閉じ込め防止だけの性能しか具備していません。

さらに給水がストップします。カランを開いても水が出ません。受水槽方式や直結増圧給水など給水方法に違いがあっても、停電すればポンプが動きませんので水が出ません。

配水所より低い2階程度ならばチョロチョロってくらいです。

地震があって部屋の中のモノは少し散乱したけど十分住める、という住戸であっても、エレベーターが動かない、カランをひねっても水が出ない、下に給水車が来てるけど重たいポリタンク持ってこの階まで何往復も出来ない、ってマンション居住者が発生します。

これらの方をマンション内帰宅困難者と呼びます。

マンション内帰宅困難者は、最寄りの市民センターなどの緊急避難先へ避難するしかありません。避難所では、自治会に加入しているかどうかで差別することはありませんが、やはり引け目を感じてしまいます。

ただでさえ、ストレスを感じる避難所生活で更に自治会に加入していないっていうストレスが追い打ちをかけます。

また、マンション管理組合は市の防災ネットワークに組み込まれていませんので避難所では自治会単位でも活動になっています。さらにストレスが・・・。

お父さんはいいです。自分で自治会に入らないって決断したんだから、少々ストレスあっても甘んじて受けなけりゃ、です。

でも一家の大黒柱として家族や子供さんにストレス感じさせるようなことしちゃ、ダメでしょ。