マンション管理士の独り言・・・1371

マンション管理士の独り言・・・1371

「アンケート」

4月5月は総会の時期です。管理会社さんが総会をばらけさせようとマンションごとに〆月を違えていますが、それでもこの時期に総会が集中します。

折角、組合員が集まって管理組合活動や事業計画について話あう総会です。

臨時総会がなければ年に一回こっきりの集まりです。

決算案や事業報告、予算案や新役員の選出などお決まりの議案以外にも、話し合うべきものはこの機会に議案化しなければなりません。

理事会では、議案化すべきかどうか判断付かないときにアンケートを実施しようとなります。

多くの組合員のご意見をお聞きし、多数のご意見に従って議案化しようとするものです。

とても民主的な考え方に基づいたものです。

しかしアンケート実施には、細心の注意が必要です。

文面は、賛成or反対のどちらかに誘導するような言葉使いや、文脈を使用してはいけません。主観を交えず淡々と客観的に記載することが必要です。

アンケートに関連する“事実”を記載する場合であっても、それが気に入らない人もいるから厄介です。“一方の答えに誘導しているように見える”って苦情が入ることもあります。

アンケート回収率にも気を揉みます。少なくとも全戸数の70%以上はほしいものです。

そして賛成か反対のどちらかで全戸数の過半数が欲しいものです。

いずれかが回収率の過半数であっても全戸数の過半数には満たないって場合には、それを多数意見として議案化するかどうかについて理事会では難しい判断となります。

回収率が低かったり、或いは賛成・反対の回答が拮抗している、さらにはどちらか一方の答えは多いものの全戸数に対して過半数が得られていない、って場合には、アンケートにお答えいただいていない方へ再度、「アンケート回答のご案内(再度)」を投函しようってことになります。

この再度の「アンケート回答のご案内」についても苦情が入ります。

“何のためにアンケート回答の締め切り日を決めているのか。出したくないっていう組合員もいるし、出す出さないはその人の自由だ。締め切り日を延長するのはおかしい”ってご意見です。ごもっともです。

これに対しては、「理事会では、出来るだけ多くの人のご意見を吸い上げたいって思いから再度のお願いをしているのです。ご理解ください。」としか言いようがありません。

また、アンケート時に寄せられるご意見についても検討しなければなりません。

多くがごもっともなご意見ですが、予算的に難しい、合意形成が得られない、管理組合としては取り組めない、優先順位はずっと後ろ、などです。

ご意見者にはキチンとした対応が必要です。

しかし稀に個人攻撃のご意見があり、これの対応には困ります。

アンケートにご回答いただいたのですから、回収後は速やかに結果を掲示などでお知らせしなければなりません。

その際、つぶやき主はご意見を文言そのままに、全く変えずに、ご意見者の名前だけ伏せて記載しますが、これについても“掲示物に記載されるとは思っていなかった”と苦情が寄せられたりします。

アンケートは難しい、です。