マンション管理士の独り言・・・1379

マンション管理士の独り言・・・1379

「中古マンションの買い方」

新築マンションと違って中古マンションを購入する際は、購入者は“目利き”でなければなりません。新築と中古とでは保証や瑕疵担保責任の程度が大きく異なります。

仮に築後1年の中古マンションを購入したとしましょう。売主さんから、Aさんが購入したけど1度も住むことなく売りに出された物件です。車で言えば新古車みたいなものです。

築後1年なので瑕疵担保責任期間の2年までもう1年残ってる、さらに品確法により雨水の侵入を妨げる部分や主要構造部については10年のうち9年がまだ残っていて有効に違いない、と思っていませんか?

しかしこれは大きな誤りです。残念ながら全く残っていません。

Aさんから中古で購入した人には瑕疵担保期間は残っていませんし、品確法の適用もありません。ついでに言えばアフターサービスも受けられません。

何故って、瑕疵担保責任とかアフターサービスは新築時の事業主さんが購入者(買主さん)に対して負う責任です。

中古で購入した人と、そのマンションの事業主(新築時の売主)とは法律的に全く関係ない間柄です。

中古で購入した人の売主は、この場合はAさんです。事業主ではありません。

そして通常の場合売主Aさんは個人ですから、アフターサービスなんて行われませんし、瑕疵担保期間も設定せず“現状有姿”での取引となるケースだってあります。

品確法に至っては、中古物件には適用しないって規定されています。

マンションの場合、不具合があればその原因は多くの場合、共用部分にあります。

また“原因が特定できないときには共用部分にあると推定する”って区分所有法にも規定されています。

ですから不具合あれば管理組合に申し出れば対応してもらえますが、専有部分の不具合に関しては、まったく保証されていないというのが現実です。

さらに新築時にはその物件に詳しい営業マンから説明を受けて購入することになりますが、中古物件の場合には、売主さんから売買の仲介を受けた市中の不動産屋さんからの説明になります。

市中の不動産屋さんが、その物件の販売に特化した売主さん関係の営業マンよりその物件について詳しいわけがありません。

また、資料も沢山揃っているわけではありません。せいぜい売主さんが持っていたパンフレットや管理会社さんからの報告書のみにとどまります。

遮音性能に関係してくる床スラブの構造や厚みなどもわかりませんし、外壁構造の不明、長期修繕計画の精度もわからない、管理の内容もわからない、ってわからないことだらけです。

図面も見せてもらえません。当然ですが屋上に上るなんて出来っこありません。

あまりに少ない情報で購入しなければならないのが中古マンションです。

せめてつぶやき主に相談しなきゃ、です。