マンション管理士の独り言・・・1380

マンション管理士の独り言・・・1380

「マンションの買い方」

先日、新規に分譲されるマンションの件で売主さん、管理会社さんそれに区役所コミュニティ支援課の方と地元自治連合会長さんにつぶやき主が加わって打ち合わせを行う機会がありました。

おおよその話が終わり雑談タイムになり、自治連合会長から「このマンションは立地もいいし、すぐに完売するだろう。即日完売なんて期待してんじゃない」という質問が売主さんにありました。

これに対し、売主さんは「まだ価格が決まっていません。頭を悩ませています」ってお返事です。自治連合会長は「・・・・」って反応です。

そこでつぶやき主が解説します。「即日完売!って聞こえはいいですが、仮に即日完売なんてなると担当者は上席から怒られちゃいます。」

自治連合会長は今度は「???」ってお顔です。

「即日完売なんてことになると、値付けが甘かったという評価になります。もう100万円ずつ価格をあげていても売れたんじゃないのか、ってなります。つまり“儲け損ねた”ってことです」

ここで売主さんが、「即日完売なんて目指しません。目指すのは竣工時に2~3戸残っているくらいの状況です。高値すぎると竣工時に半分も残ってしまい、大変です。竣工時に残戸数2~3っていうのが目標です」ってお話です。

同じ間取りの部屋でも上階になればそれだけ眺望が良くなりますので、価格をアップさせます。1フロアーいくらの価格差が適正なのか?また、リビング窓前に5階建ての建物がある場合は、5階と眺望の良くなる6階とでは、それまでの1階高くなるごとのアップ額より大きく差を付けることとなります。

最上階や1階の専用庭付き住戸、ルーフバルコニー付き住戸など特殊住戸の価格はいくらと設定するのかなど頭を悩ませます。

価格設定前の段階で、建築地に掲げられた予定建築物の看板を見たり、或いはホームページなどでこの物件のことを知った購入希望者から売主さんに直接電話があります。

「ぜひ最上階が欲しい」或いは「ルーフバルコニー住戸を買います」なんて熱心なAホット見込み客です。売主さんからすればとっても有難いお客様です

このAホット見込み客さんは、「自分が買うから他の人には売らないでね」って“唾を付ける”っておつもりでしょうが、つぶやき主からすると、あまり良い買い方とは言えません。

価格設定前なので、確実に売れるであろう住戸には高い価格を設定します。

苦戦するだろうなって中住戸の3LDKなどについては、なるべく低い価格設定としたいので、そこで逃がした利益を確実に売れるであろう住戸に乗っけちゃいます。

ただでさえ戸数が少ない特殊住戸なので高い価格設定になりがちです。

その上、Aホット見込み客がいる住戸ならば、そこで利益を稼ごうって考えるのは売主さんとすれば当然のことです。

着工前の段階では、喉から手が出るほど欲しい住戸であっても、少し熱意を抑え気味にして売主さんと交渉することをお勧めします。