マンション管理士の独り言・・・1385

マンション管理士の独り言・・・1385

「管理費比較」

「ウチのマンションの管理会社の管理委託料が高い気がする。○○戸のマンションで△△円ですよ。高くないですか?」なんていうご質問をいただく機会が増えてきました。

いかに、市内のいろんな管理会社さんの管理委託の内容や委託料に精通しているつぶやき主であっても、この質問には「さあ、わかりません」って答えるしかありません。

高い安いの比較が出来るのは、同一品種、同一数量の場合に限られます。

例を挙げればゼブラの黒ボールペンがA社で100円で売っていました。

これと全く同じゼブラ黒ボールペンがB社では120円でした。これは明らかにB社が高い。ってなります。

管理委託契約の場合は、その内容がマンションごとに大きく異なりますので、そのままでは高い、安いの金額の比較はできません。

大きく異なる仕様についてもうちょっと詳しくつぶやきます。

先ずエレベーターメンテナンスが管理委託契約に含まれているかどうかです。

含んでいる管理委託契約もありますが、含まずにメンテ社と管理組合さんとの直接契約としている場合も沢山あります。

当然ですがエレベーターメンテを含んだ管理委託料の方が高くなります。

また、メンテナンスを含んでいる場合であっても、そのメンテ内容がフルメンテなのかPOG契約なのかによっても金額が異なってきます。

フルメンテは文字通り部品交換を含めフルのメンテがその内容です。

これに対してPOG契約というのは、パーツ・オイル・グリースの注油費用のみが含まれていて、それ以外の例えば非常用バッテリー交換費用などは含まれていない契約です。

これもPOG契約の方が安いに決まっています。

最近では、分譲当初からPOG契約としている管理会社さんが増えています。

更にエレベーターに関しては、メンテ社をメーカー系でなく独立系にしている管理会社さんもあります。当然ながらメーカー系よりも独立系のメンテ社の方が費用は安くなります。

以前はメンテ社はメーカー系というのが当たり前で、費用削減に重きを置いた管理組合さんが途中で独立系に変更するというパターンでしたが、最近では、分譲当初から独立系のメンテ社としている管理会社もあります。

また機械式駐車場のあるマンションの場合、管理委託契約に含めず、管理組合さんとメンテ社さんとの直接契約とする管理会社さんが主流となっています。

給水ポンプや自動ドアのメンテの頻度も委託料に影響します。メンテを年1回としているところがほとんどですが、年4回としているところもあります。

この他、2年に1度くらいの頻度で行われる排水管高圧洗浄が管理委託料に含まれているのかいないのか、宅配ロッカーや防犯カメラのリース料はどういう扱いになっているのかなど、それぞれの管理組合でその委託契約の内容は大きく異なっています。

管理委託料を構成しているのは、これら設備点検やメンテ費用だけではないのです。

それは次回。