マンション管理士の独り言・・・1387

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「エレベーターメンテ」

前回までの“管理費”にも大きく関連してくるので、エレベーターメンテについてちょっとだけつぶやいていましたが、もう少し掘り下げてつぶやきます。

エレベーターメンテについては大きくPOG契約とフルメンテナンス契約とがあるというのは前々回つぶやきました。

さらにメンテ社についても、メーカー系と独立系とがあるという事にも触れています。

当然ですが、メーカー系よりも独立系の方が、フルメンテよりPOGのほうがメンテ費用が安くなります。

また、最近ではエレベーターの機種によってもメンテ費用が変わってきます。

高層階対応エレベーターや低層階で降りる人がいないときは、目的階まで高速運転するエレベーター、更には、この時間帯ならばこの階で待機するのが望ましい、って判断するエレベーター、エントランスオートロックに対応するエレベーターまで登場しています。

これらのエレベーターは、設備機能がワンランクもツーランクも上なので、それに伴ってメンテ費用も高くなります。

非接触押しボタンタイプにはまだお目にかかったことはありませんが、やがて主流になるかもしれません。

費用を抑えようとメンテ社そのままにメンテ内容をフルメンテからPOGへ変更することはおススメしません。

フルメンテナンスをPOGへ変更することは、すぐに出来ますが、反対への変更はなかなか出来るものではありません。

“POGに変更したけど非常用バッテリーなど備品取り換えの際には多額の支出となるのでやっぱりフルメンテナンスに戻そう”としても、多額のお金が必要になります。

メンテ社からすればフルメンテを請けてもいいだけの部品になっていなければなりません。

フルメンテ契約を開始するには、部品を新品に変えておいてね、って事です。

メンテ社を独立系に変更する場合にはもっと注意が必要です。故障した時の部品の納品が遅れ気味になります。

代用品が効かずメーカーの純正部品でなければならないトラブルが発生した場合、メーカーへ部品発注することに成りますが、メーカーは自社系のメンテ社に部品を優先納品しますので、独立系への納品は後回しにされちゃいます。

この間エレベーターが動かないってことです。若松のマンションでは2週間停まったままという事例もあっています。

北九州市役所には4基のエレベーターがありますが、このメンテは西部エレベーターサービスが行っています。これは大正解です。

4基一度に停まることなんてあり得ませんから、1基にトラブルが生じ、動かなくなっても他の3基で目的階へ行くことが出来ます。

しかし多くのマンションでは、エレベーターは1基だけです。2基あるマンションで、そのどちらでも目的住戸へ行けるのならばいいのですが、NO1は1号室から5号室までの専用。NO2は6号室から10号室専用となっている場合はNGです。

10階の6号室へ行くのにNO2エレベーターが故障した場合、NO1では行けないので、階段利用ってなります。

“やっぱり独立系メンテ社はリスクが大きいからメーカー系へ変更しよう”とすると、この場合は600万円超の費用が必要になります。

独立系メンテ社は、“純正部品を使っていないエレベーターのメンテなんて請けてあげない。どうしてもって言うなら全ての部品を純正部品に変えてね”っていうスタンスです。

この費用を出してまでメーカー系へ変更した管理組合さんもあります。

管理費削減という目標はいいのですが、よく検討しないと最終的には高くついちゃうことがあります。