マンション管理士の独り言・・・141

「ディスポーザー」

もう最新の設備とは云えないかも知れませんが、ディスポーザーについて考えてみます。
これは、キッチンシンクの下に設置されていて、生ごみを粉砕し、水と一緒に流し、専用の浄化槽で処理するというシステムです。
粉砕の方法も以前は、刃物状のものが多かったのですが、現在では安全のために、すり潰すようなものが多いようです。
どんな生ゴミでもOKかというとそうでもなく、メーカーによって異なるものの、サザエ等の殻、玉ねぎ・バナナの皮、とうもろこしの芯などはダメのようです。
このディスポーザーがあれば、確実に生ごみは減ります。ゴミ出し日にエレベーターの中が臭くならないなどの利点もあります。

しかし、良いことばかりではありません。

浄化槽に到るまでの配管の途中が詰まったりします。
原因の多くは卵の殻によるものです。
生ごみを粉砕する時には、大量の水を流さなければなりません。
大体1回につきバケツ1杯。約10リットルが目安です。
ところが、水を少量しか流さないため特に卵の殻が詰まってしまいます。
最新式のディスポーザーでは、使用時に自動的に適量の水を流すような優れものもあるようです。
自分で水を流す式のディスポーザーをご利用の方は、多めの水を流すようにしましょう。

また、ディスポーザーの刃やハンマーは、大体10年を目安に取替が必要です。
専有部分となりますが、管理組合が主体となって、全戸一斉に取り替えるのが望ましいでしょう。

このディスポーザーは管理面から見ると結構金食い虫です。
月に1度、浄化槽の清掃が必要です。
これが、戸当たり月5~800円。100戸のマンションなら、月約80,000円、年間100万円です。
さらに年に1度、バキュームカーによる沈殿物の処理も必要です。
これ以外でも見えないものとしては、浄化槽に設置された換気のためのブロアーの電気代。
また、最近ではディスポーザーの清掃を請け負ってくれる業者が少なくなってきています。
汚いし、臭いし、作業は大変なようです。

マンションは購入したらそこがゴールではありません。ゴールというよりスタートです。
管理面に視点を当てたマンション選びをしましょう。