マンション管理士の独り言・・・157

「分譲駐車場・・・④」

分譲駐車場問題から派生して、新たな問題が発生しています。
実際のご相談からですが、100戸のマンションで100台駐車場が整備されています。100台のうち30台が分譲駐車場、70台が通常の賃貸駐車場。分譲か賃貸かは別にして全戸に1台ずつの駐車場が割り当てられている計算になります。
しかしこのマンションでは、“分譲駐車場はその購入者のものだから、マンション管理組合が経営している駐車場ではない。したがって分譲駐車場とは別に賃貸駐車場をも借りる権利がある”となってしまっているのです。
額面上は1住戸に1台の駐車場が確保されているように見えますが、30台の分譲駐車場は別枠と考える事により、このマンションの駐車場充足率は70%になってしまっています。

実際にこのマンションでは、分譲駐車場と更に賃貸駐車場を利用している組合員が複数人いて、片やあぶれてしまって敷地内駐車場を1台も利用できない組合員も存在します。
とても不公平な状況です。
分譲駐車場+賃貸駐車場を利用している人は理事の中にもいて、“既得権”“営業マンからは2台確保できるからと言われ購入した、2台確保できないのであれば購入しなかった”などの意見があり、とても紛糾しているようです。
なぜこのようになったかは、やはり売主の“売れればOK,あとは管理組合さんヨロシク!”やさらに分譲時の営業マンのトークにも問題があったようです。
問題解決には永い時間が必要です。
最低でも5年はかかると思われます。
その間に組合員間で意見の対立で大きな紛争にならなければと危惧しています。

駐車場分譲駐車場については今回を最後にします。この問題で熱くなる暇やエネルギーがあるなら、会社の営業をして来い、と言われています。
最後にこれからマンションを購入しようと考えている方へ、一言。
マンションを購入するとは、売主買主双方が対等な立場で、売買契約を締結することです。
情報量や経験・知識のたっぷりある売主と対等な立場として行われます。
契約締結してしまった後に、“そうとは知らなかった”“読んでなかった”は、全然通用しません。
役所も、読まなかったり、知ろうとしなかった人が悪いという立場です。
立地や学校区、設備仕様、外観インテリア、間取り価格など外見ばかりで購入を決めると後々後悔しますよ。