マンション管理士の独り言・・・165

「派遣理事長のお仕事・・・恐るべし訪問販売」

前回、前々回、前前々回としょーもない(小倉では、“しかたも知れん”とも言います)マンションネーミングをダラダラと連載しましたが、結構見ている人がいるようで、ちょっと驚いています。

さて、今回は派遣理事長からみの話です。
理事長として派遣されているマンションで、外壁の1部が崩落の恐れがあったので、最上階のルーフバルコニーからゴンドラを吊って補修作業を行いました。
大通りに面していますから、通行人は皆、ゴンドラでの作業を見上げて行きます。
つぶやき主もちょくちょく現場を確認に行ってましたが、ある時、入居者の方から声を掛けられました。

「玄関ドアがこすれて開け閉めが重たかったけど、いい業者さんを紹介してくれて有難う」との事です。?????
どーやら訪問販売業者が、ゴンドラで補修作業しているのを見て、あたかもゴンドラ作業を行っている業者のようなフリをして、各戸に“これを機会に玄関ドアやサッシュの補修を行いませんか?”というチラシを投函したようでした。
実際に投函されたチラシを入手して確認したところ、“管理組合の推薦”とも受け取れるような文言も入っていました。

早速、「訪問販売にご注意!管理組合は特定の業者を推薦することはありません」というチラシを全戸に投函しました。
また、「玄関ドアやサッシュの補修に関しては、管理組合で行わなければならない場合もありますので、ご自分で判断されずに、理事長○○○までご連絡下さい」とも申し添えました。
幸い注文していたのはくだんの方1件だけで、その方もその日のうちにキャンセルの連絡を行いました。実害ゼロです。

商売はチャンスとタイミングといいますが、今回の訪問販売業者さんは、実にタイムリーな営業手法です。感心しちゃいけませんが、“恐るべし”です。
おかげで、全戸にチラシ投函という余計な仕事を増やしてくれましたが、勉強になりました。
外壁補修工事などをしているマンションを見かけたら、その工事を実施している業者のように装って訪問販売を仕掛けてくる、という手法なのだと思います。
全国の理事長さ~ん。お気を付けあそばせ。