マンション管理士の独り言・・・177

「不祥事のオンパレード」

11月15日と25日のマンション管理新聞に合わせて5件の管理会社による不祥事と組合役員の横領事件1件の併せて6件が掲載されています。

①国交省関東整備局は11月12日長谷工コミュニティに対しマンション適正化法に基づいて指示処分を行いました。管理員の管理組合財産の1500万円の着服に対してです。
元管理員は管理事務所金庫からマンションの時間貸し駐車料金等を昨年2月~約1年間もの間、無断で持ち出しました。持ち出し額約1000万円。さらに組合役員に押印させた伝票で約500万円を不正に引き出していました。

②同整備局は同日、日神管理(本社東京)に対しても指示処分を行いました。
処分理由は多くの受託管理組合で契約成立時の書面交付や管理事務報告の遅延が確認された事です。以前区分所有者から同社に対する苦情申し立てがあり行政指導を行ったに拘わらず、今年も再度の申し立てがあり立ち入り検査を実施したところ、各十数物件の違反が発覚しました。

③お隣の山口県で今年9月に会計担当役員が組合財産約294万円を横領した事件で山口簡裁は懲役2年6カ月の実刑判決を下しました。
この被告は「競馬で1発あてれば、すぐに穴埋めできる」と安易に考えていたというから驚きです。

④丸紅コミュニティが受託するマンションで管理員が預かった鍵を利用して住戸内に無断で侵入し逮捕されるという事件が発生しました。このマンションはリゾート型でホテルのように洗濯物の配達サービスを行っており全部屋の鍵を預かっていました。同社では「反省しています。預かっている鍵は返却する方針です」としています。

⑤大阪の「森田総合事務所」。同社社長は受託している管理組合の銀行口座の払い戻し請求書に書かれていた“105,000円”という数字を、“405,000円”に改ざんし詐取しました。また、“135,000円”という数字を“2,435,000円”に改ざんした疑いも持たれています。更に同社は、管理業者として国交省への届け出も怠っており、無登録でマンション管理業を行っていたようです。

⑥福岡市中央区の㈲平成メンテナンス社長が管理組合口座から1500万円以上を横領した容疑で逮捕されました。同社では管理組合口座名義の通帳と印鑑を同時に保管していたということです。

横領するやつが悪いに決まっています。
しかし、もう少し早くに気付いていれば、或いはキチンと管理していれば未然に防げたと思われる事件もあるような気がしてなりません。