マンション管理士の独り言・・・193

「遅れている消費者保護」

12月に開催した「1から学ぶマンション購入術」へわざわざ1,000円も出してご参加いただいた方から、“オーストラリアでは不動産を購入する際は、弁護士等の専門家が消費者に不利な内容のものがないかを一言一句確認して契約締結に臨むのに、日本では売主が予め用意した契約書で、しかも詳しい説明もなされずに契約しなければならない。消費者保護の面はとても遅れている”ようなことを言われていました。

一般の消費者にとって、マンションを購入すると言うのはおそらく生涯で1番高価な買い物だろうと思います。
1番高価な買い物の割に、契約締結行為はとても杜撰です。

マンションと言うのは、単に購入するというだけでなく、そこから共同生活を営まなければなりません。
その共同生活のルールとなるものが、管理規約や使用細則、あるいは長期修繕計画です。
これら管理規約などを契約締結時に提示しない売主のなんと多い事か?呆れてしまいます。

あるご相談者は、契約締結を月内に!と、迫られていましたが、管理規約・使用細則もなく、長期修繕計画も提示のない状態でした。これらの書類の内容を確認してから契約すべきですとアドバイスしました。
さらに先日のご相談者は、重要事項説明書さえお持ちじゃありませんでした。
売買契約書にはキチンと署名捺印させられ手付金も支払わされていましたが、重要事項説明書はお持ちじゃありませんでした。
当然ながら管理規約・使用細則・長期修繕計画なんて提示されているわけがありません。
“なんかいろんな物にサインしたのは憶えている”なんていわれていましたが、このような業者がまだはびこっているのかと思うとちょっと驚きです。

上記の売主は、西小倉~大手町の現在販売中の5社のうちの2社ですから、「もっとちゃんとやってよ」と言いたくなります。
売買契約書の内容にも首をひねるものもありましたが、買主さんが“その内容でいいよ”ならば有効になっちゃうんですよね。残念ながら。

キレイなパンフレットや素敵なモデルルームばかりに目がいってちゃダメですよ。

賢い消費者にならなきゃ・・・ですよ