マンション管理士の独り言・・・196

「相続放棄」

集合住宅新聞「アメニティ」からご紹介します。
Q&Aコーナーにこのような質問がありました。

「私たちのマンションの組合員のAさんが亡くなりました。管理費や修繕積立金について6カ月分の滞納があります。調査して相続人であるBさんとCさんに手紙を送りましたが、いずれも“相続放棄する予定です”との返事がきました。このままでは滞納額が増えるばかりです。どうすればよいのでしょうか?」

これに対し、弁護士が回答しています。

「BCは相続放棄する予定とありますが、まづ最初に本当に放棄したかどうかを確認する必要があります。相続放棄の期間は、相続の開始を知った時から3ケ月間です。
相続人が家庭裁判所へ相続放棄を申請してこれが受理されると相続放棄の受理証明書をもらうことができます。
管理組合としてはBCに対して相続放棄の受理証明のコピーを送るように依頼して、本当に相続放棄がなされているかどうかの確認をします。
もし、BCが送ってくれないときは、利害関係人として家庭裁判所に照会する事ができます。
本当にBCが相続放棄して相続人がいないことが明らかになった場合には、管理組合とすれば、家庭裁判所に対して亡くなったAさんの相続管理人の選任を求めることとなります。

相続管理人が選任された後の方法は大きく分けて2ツあります。
1ツは、相続財産管理人を相手に訴訟を提起して判決をもらい、さらに競売を申し立てる方法です。
2ツ目は、相続財産管理員を売主として当該不動産を第3者へ売却して、その際に滞納管理費などを精算する方法です。
法律上は相続財産管理員には物件を処分する権限はないのですが、債権者や相続人捜策の公示を行った後に、家庭裁判所の許可を得て売買する事ができます。
どちらの方法が良いのかは、専門家に相談しましょう。」

難しい質問ですが、どこのマンションでも今後増えてくる事例ではないでしょうか?
つぶやき主も勉強しなければならないことが、まだまだ沢山あります。