マンション管理士の独り言・・・221

「ない!ない!ない!・・・!!!」

最近は強烈なご相談が増えているとつぶやきましたが、「ない!ない!ない!」のご相談が
立て続けに2件ありました。

一つ目の「ない!」は、管理組合がない、というものです。法律上は「ある」ので「ない!」ってことはないのですが、要するに管理組合としての活動を全く行っていないということです。それでも分譲後何十年も持ち回りやなんかで、共用部分の維持管理を行ってきたのだから、不思議なようでアッパレです。

続いての「ない!」は管理規約がないです。これは本当にありません。分譲当初には、そのようなものを見かけた人もいたのですが、現在では散逸してしまって「ない!」状態です。

最後の「ない!」は、もう予想がつくと思いますが、管理者(=理事長)がいないのです。
理事長らしき人はいるのですが、“自分は誰もやらないから、仕方なくやっている”、“輪番制で共用部の電気代だけは回収している”ような状態です。

この「ない!ない!ない!」の三重苦マンションを管理が適正化なるようにアドバイスを行う事になりました。
管理組合・管理規約・管理者がない状態ですので、このような場合には「区分建物所有法」に基づいて管理運営や総会開催を行う事となります。

まずは、総会を開催して、管理者の選任や管理規約の新設、さらにはマンション管理士との顧問契約の承認、その他・・・を得なければなりません。
管理者(=理事長)がいれば、この管理者が総会の招集権者になるのですが、生憎と、いないので、区分所有者総数の5分の1以上の方の賛同により総会を招集してもらわなきゃなりません。

管理が適正化されるまで、少なく見積もって3度以上の臨時総会の開催を行わなければなりませんし、費用負担もかなりの額が予想されます。
それでも今やらなければ、スラム化していくのは目に見えています。
根気強く説得・納得作業を続けていかなければならないでしょう。
そのマンションの組合員の方も、お世話するつぶやき主も多大なエネルギーを要する作業の始まりです。