マンション管理士の独り言・・・228

「新築物件の選び方・・・その①」

エンドユーザーの購入意欲が少しは持ち直したのでしょうか?
最近になって、内覧会の申し込みだとか、購入のご相談が増えてきました。
価格も底値になった!とか、今が買い時!なんて言う方がいますが、つぶやき主はそうは思いません。
そもそもマンションを始めとする不動産を購入するのに、“損”か“得”かで判断する事に間違いがあります。
商売じゃありません。「住まい」を買うのに損得勘定はいらないですよ。
気にいった物件があって、支払う金額に見合った生活ができると判断すれば、購入ですよ。

ところで、最近のマンションパンフを見ていて、以前とは違ってきたな、と思う事があります。
消費税です。

以前は、総額のあとに(  )書きで消費税が記されてあったのですが、最近分譲のほとんどのマンションのパンフには記載がありません。
(税込)と書かれているだけで、具体的な額が記載されていません。
さすがに、売買契約書には消費税の記載はありますが、パンフには記されていません。

消費税の記載は結構、マンション選びの判断基準になります。
マンションの価格と言うのは、土地価格+建物価格+消費税からなっています。
そして消費税は、土地には課税されていませんから、消費税額は建物の価格を反映している事になります。
つまり5%を割り戻せば、建物価格を算出できることになります。
例をあげれば、総額3000万円のマンションで、このうち消費税が100万円ならば、建物価格は100万円÷0,05=2千万円。
総額3000万円というのは、
土地価格900万円、建物価格2000万円、消費税100万円
から構成されていることになります。

土地代はその場所や立地や環境などによって、それぞれのマンションによって異なってくるのは当たり前なので、マンションごとの比較は難しいものがあります。
しかし、建築費に関しては同じ北九州圏内で建築されるマンションならば、それほど異なってくることはありません。
現在販売中のマンションでも、坪単価を算出すると、わかっているだけで892,000円~707,000円まで約1,26倍の差があります。
もっとも892,000円のマンションは免震工法なので坪単価が割高になるのは当たり前です。

マンションを購入しようと思っているかたは、担当者に比較しているマンションの消費税を聞きましょう。
そして、そのマンションの建築坪単価が、設備や仕様に見合ったものかどうかを判断することも必要ですよ。

でも何故、パンフから消費税の記載を省くようになったのでしょう?
消費者保護の見地からすれば、逆行しているような気がしてなりません。