マンション管理士の独り言・・・237

「公社お前もか!!」

八幡東区高見で分譲中の大型マンションのお話です。
ここまで書けば何と言うマンションかはお分かりだと思いますが・・・、そうです「ネクスタージュ高見弐番館」のことです。
とても売れ行き好調なマンションです。
好調な売れ行きの要因の一つに公社が関与しているという事もあると思われます。
しかし、公社はただ単に土地売主であって、建物の売主でもなく、また契約書なんかにも「建物の瑕疵には一切責任を負いません」と記載されています。
そりゃそうでしょう。建物の売主でもないのに、建物の出来栄えに責任持たされちゃかないませんよ。

建物の出来栄えに責任は負わないものの、仮にも土地の売主で本マンションプロジェクトの一員なんですから、販売方法等にはキチンと責任を負うべきだと思います。

そこで標題の「公社お前もか!!」ですが、本マンションの長期修繕計画を見せてもらいましたが、はっきり言ってなっていません。全然ダメです。

長期修繕計画みたいな様式を整えてはいるものの、長期修繕計画ではありません。
そこには、15年後、30年後には大規模修繕工事を実施し、その時には○○○万円の費用がかかりますよ、という記載があるだけです。
たしかに15年後の第1回の大規模修繕工事の費用は、何とか足りるようになってはいるものの、それ以降は毎年赤字です。30年後なんて巨額の赤字です。

修繕積立金増額の計画が記載されていないのです。単に15年後には○○万円、30年後には○○万円かかりますよ、ということを示しているだけのものです。
その必要とされる金額をどのように積み立てていくのかが欠落しています。

何度もつぶやくように、修繕積立金が5年ごとに値上げされ、15年後くらいには当初の3倍くらいの金額に値上げされますよ、ということを販売時から購入者に対して話をしていてもらわないと管理の現場は大変です。
修繕積立金の値上げは、総会での承認事項です。「値上げするなんて営業マンからは聞いてなかった」「値上げがあるなんてわかっていたら購入しなかった」なんて意見が必ず出ます。

5年ごとくらいに修繕積立金の値上げがあるという事実は販売の足を引っ張ることになるので、できれば“言いたくない”“触れたくない”ということは理解できます。

しかし、単に住まいを売るのでなく、それ以降の快適なマンションライフを営めるように当初より段取りするのも売主の社会的使命だと思います。
特に本マンションには公社が関与しています。
“もう少し、しっかりした売り方をするように指導しろよ!”といいたくなっちゃいます。

「ネクスタージュ高見弐番館」を購入した人に告ぎます。
修繕積立金は、当初の金額がズーット続くなんて思っちゃダメですよ。
早ければ5年後には、倍額になりますよ。