マンション管理士の独り言・・・245

「議事録の大切さ」

頼りになるパートナーのマンション管理士が、「この仕事を始めて、議事録の大切さが良く分かった」と言っていました。
そうです。議事録はとても大切なものです。

この時期、通常総会も終わり、新旧役員の引き継ぎもひと段落したころだと思いますが、法人化していない普通の管理組合では通帳の名義を前理事長さんから新理事長さんへ書き換えなければなりません。
この際に、銀行窓口で、本人確認資料とともに、議事録の提示を求められます。
管理規約に加えて通常総会で新理事長に就任したという事が記載された議事録が必要になって来ます。
また、不在区分所有者の居所を捜すためなどで住民票を取る場合でも、利害関係人であることの証明のために理事長へ就任した際の議事録の提出を求められます。

管理費などの滞納を回収するために少額訴訟を提起する時も、やはり同様に理事長である事の証明のために議事録の提出は必須です。
このように管理組合の理事長である事の証明のためには、議事録が必要になってくる場合に頻繁にでくわします。

ですから、議事録には“誰それが発言した”などまで一言一句を詳しく記載する必要はありませんが、おおかたの要領は記されていることが要求されます。
総会が終わっていつまでに議事録を作成しなければならないかについては特に規定はありませんが、2週間を目途に作成する場合が多いようです。

そして、忘れてならないのが、議長をはじめ総会に出席した2名の方の署名です。(議事録署名人といいます)
作成された議事録が会議の内容や結果が正確に記載されていることを計3名で証明しているのです。
この議事録署名人のない議事録や、いつ議事録が作成されたか日付が抜け落ちているものをたびたび目にします。
また、管理会社が作成した議事録にもメクラ番を押さずに、しっかり内容を確認して署名捺印する事が大事ですよ。結構、いい加減な議事録がありますよ。
ひどい管理組合になると、総会の事実内容と異なる議事録を作成して自分の都合のいいように改ざんしている場合や、そもそも議事録さえ作成していない管理組合だってあります。
のちのち大問題に発展しますよ。
そして議事録はキチンと保管しましょう。

これが散逸してしまって大変な苦労をしました。とても大変でした・・・。