マンション管理士の独り言・・・259

「新築マンション個別説明・・・小倉DCタワー」

皆さんの知らない、というか売主も販売会社の営業マンもこれほど詳しくは理解していないので、皆さんが知らないのは無理もないのですが、管理面に絞った新築マンション「小倉DCタワー」の特性をつぶやきます。

いいところ
1、インターホン設備は、専有部分にある子機を含めて共用部分となっています。専有部分としているところも多いのですが(例えばネクスタージュ高見七条弐番館など)、故障したときに専有部分としていると修理を義務付けしにくく扱いが厄介になります。
2、理事長など役員の任期は2年です。多くのマンションでは1年交代となっていますが、
できれば2年の任期で半数交代が望ましいです。

3、未販売住戸の管理費・修繕積立金を売主が負担するようです。このことはキチンと明記されていないのですが、負担しないときはキチンと明記するようにというのが国交省の指導です。
明記していないということは、負担すると受け取って間違いないと思われます。
さらに、管理規約第9条に未販売住宅の所有者(売主)は、この規約で定められた権利・義務を負うとしていることからも、そのように考えて良さそうです。アッ晴れ!!!

わるいところ
1、駐車場は1世帯1台優先ですが、駐車場充足率100%でないうえに、そのうち軽専用が6区画あるのでトラブルの元になりそうです。
また、区分所有者がその専有部分を売却する時は譲受人がその区画を優先承継でき、貸与の時は賃借人は承継できないとあります。国交省の考えと真逆です。
譲渡の時は旧所有者はもう区分所有者ではなくなるので、駐車区画利用権は消滅し、一旦管理組合へ返却するとされ、貸与の時は、転勤などの場合のようにやがて戻ってくる事が充分考えられるから賃借人が駐車区画を引き継げる、です。
さらに、以前から軽区画を利用していて普通車区画に移りたいと思っている方がいて、売買などで新しく区分所有者になった方が、前の方が利用していた普通車用区画を優先利用できることを知ると“前々から普通車区画に移動したいと言ってたのに、新参者がすぐに普通車区画を引き継げて利用できるなんて不公平”なんてトラブルになりそうです。少し決め方が雑な感じがします。
2、議決権の扱いが不公平です。1番小さな住戸56,18㎡と1番大きな住戸199,75㎡とでは面積差が3,5倍あるのに議決権数は1:2です。1:3,5であるべきです。
3、住宅部分と店舗部分の権利の扱いが不公平のような感じがします。
全体の面積に占める店舗部分の割合は4,1%なのに敷地の持ち分は11%。議決権割合は6,5%を占めています。
また、全体理事の数が住宅部分3名、店舗部分3名となっています。区画整理事業だからでしょうか?

知っておくべきところ
1、管理組合が全部で3つあります。住宅管理組合・店舗管理組合・全体管理組合です。
2、ゲストルームなど部外者を宿泊させる部屋がありますが、ここから得られる収益は税法上の課税対象になると考えられます。
3、ホームサット24(綜合警備保障)と24時間警備契約を締結しています。
ここに何故、ダイワサービスが関係しているのでしょう?
直接管理組合が綜合警備保障と契約すれば、○○○なるのに、なんて思ってしまいます。
また、管理員さんが24時間勤務していて24時間の機械警備が必要なのでしょうか?
通常は管理員さんが勤務していないときに機械警備になる場合が多いようです。
4、植栽管理費が月額76,200円です。通常のマンションの1年分が1月分です。
5、定期清掃が月額326,900円です。外部窓を清掃するためのゴンドラ費用が入っているのでしょうか?北九州の100戸程度のマンションでは定期清掃費用は月額50,000円程度ですが・・・。

特に管理委託契約の内容が、委託契約書だけではよくわからないところがあります。
金額に見合った管理サービスになっていれば全然問題ありませんし、快適なサービスが受けられるはずです。
ご入居後にしっかりと確認しましょう。
ほんとうは、“いいところ”も“悪いところ”も“知っておくべきところ”だって、まだまだ沢山あります。
管理規約だけで157条まであるのですから。・・・・・でも教えてあげない。

次は、ポレスター「リーモ」にご登場いただきます。