マンション管理士の独り言・・・265

「普通決議」

管理組合の意思決定は、総会で多数決により決められていきます。
総会は、議決権総数の半数以上の出席で開催されます(定足数)。
そして提案された議案は、適法に開催された総会において、その過半数の賛成で承認されていく運びとなります。

ところで過半数っていいますけど、何に対しての過半数かご存じですか?

区分所有法では、過半数というのは議決権総数に対してとされていますけど、国交省作成の標準管理規約では、出席者に対してとなっています。
出席者というのは、実出席者+委任状提出者+議決権行使者のことです。
区分所有法のように議決権総数の過半数なら、承認されない議案が増えるのではと国交省の頭の良い方たちが考えて、『出席者の過半数でイイや、』としたのでしょう。
多くのマンションでは、この標準管理規約を参考にしていますから、過半数と言うのは出席者に対して、となっています。

具体的に数字で表すと、

仮に100戸のマンションで100人が1戸ずつ所有しているとします。
つまり議決権総数100です。
総会はこの半数で成立しますから、50人の出席で成立です(委任状+議決権行使者も出席に含まれます)。
そして、50人の過半数で26人の賛成あればこの議案は承認となります。
26と言う数字は、議決権総数100に対して4分の1程度です。
4分の1程度の賛成で管理組合の方針が決まっていいのかという単純な疑問の声は根強く存在しています。

福岡県マンション管理組合連合会ではつぶやき主も法務委員となり、標準管理規約“福岡バージョン”を作成しましたが、この問題について議論を交わしました。
その結果、『区分所有法の理念に立ち返ろう』となりました。
すなわち、過半数というのは、出席者に対してのものではなくて、議決権数に対して、にしようとなったのです。

上記の例では100議決権ならば、51以上の賛成なければ承認とはならず否決となります。
ですから、半数ピッタリの出席数では、提案された全ての議案は全部否決となっちゃいます。
100に対して最低でも51以上が賛成しているので、効力の有効性に疑問をはさむ声もあまりないはずです。
しかし、役員さんは大変です。
今まで以上に総会へ出席するよう働きかけを行わなくてはなりませんし、また議案の説明についてもより丁寧さが求められます。

ますます、素人さんでは難しいのでは、専門家(=マンション管理士、できればつぶやき主)に依頼したほうが・・・・なんて思っています。

どんな標題でも最後には商売に結び付ける事ができるようになりました。(半ば強引に!)