マンション管理士の独り言・・・293

「ガラパゴスからの脱却」

新年オメデトウございます。
年末年始はあまりする事もなく、ゴロッと横になって犬とたわむる、でした。
友人の一人が、“もし生まれ変わったら、お前の犬になりたい”といったほど、猫可愛がりします。犬なのに猫です。そして今年は龍。
何でも龍は、ところどころ雲に隠れていて全体が見えないところが、奥行きが感じられて良いそうです。

昨年12月にブランシェ企救丘の内覧会を5件同行してきました。
依頼者さんがそのことをマンションコミュニティにアップしているみたいで概ね好評をいただいており、「いえいえ私の方こそ感謝しています」ってところです。
その中で北九州のマンション事情を「ガラパゴス」と称した方がいました。
言い得て妙です。

北九州のマンション事情の特殊性については、以前「財界九州」にもマンションの専門家としてつぶやき主の論文が何度も掲載されています。
北九州には、大手デベロッパーが参入してきません。
つぶやき主がかつて勤めていた新日鉄都市開発くらいが大手と思われますが、ここも新日鉄八幡の跡地を開発しているだけで参入というのとは違います。
5年ほど前は、「フローレンスシリーズ」の章栄不動産や、「ポレスターシリーズ」のマリモ、「アーバンコーポレイション」などの広島組の参入もあったのですが、会社がなくなったり、第2期までの予定を1期だけで止めて帰っちゃいました。
現在では、大和ハウスさんが竣工物件を抱えているだけです。

お隣の福岡では、大手として「セキスイハウス」「住友不動産」「大和ハウス」「三菱地所」「三井不動産」などが目白押しです。
やはり多くのデベロッパーが参入してきてこそ、競争原理が働き、消費者志向の良い市場になると思います。
また、地場デベロッパーにとっても競争はきつくなるかもしれませんが、そのデザイン・設備・コンセプトをはじめとして、販売戦略なども学べる機会が増える事となります。

別の視点から見れば、大手が参入してこないため、地場デベロッパーの悪しき横並び商法がまかり通っています。
代表的なものが、①分譲駐車場。敷地全部を売っておきながら、駐車場を分譲して売るなんて、日本全国広しと言えど北九州だけのものです。何故、分譲駐車場が悪いのかは、バックナンバーを見て下さい。
②未販売住戸の管理費・修繕積立金を負担しない。しかし、これは最近改まってきました。あともう少しです。
③あまりに低額に設定された修繕積立金といい加減な長期修繕計画。
今からマンション購入を検討されている方は、仮に修繕積立金が当初3,000円程度でしたら、10年後には3倍に跳ね上がるという点は押えておいて下さい。

つぶやき主が代表を務めている北九州マンション管理支援機構のパンフレットには、このようにご挨拶しています。
「マンションに住むなら、買うなら、北九州」
今年はこのメッセージに少しでも近づけるよう、いろんな場面で発信していくつもりです。

本年もよろしくお願い致します。