マンション管理士の独り言・・・296

「ご相談に対する回答アレコレ」

今年からリビング北九州の「マンショントラブル相談室」コーナーが月2回の掲載となりました。
読者の方からのマンションに対するいろんなご質問に対してマンション管理士が回答するというものです。

今回のテーマは「防犯カメラ」。
防犯カメラを設置してほしいと組合員からの要望に対して、「どうしたらいいでしょうか?」という理事長さんからのご相談です。
これに対しての回答は、というところでハタと思考がストップしてしまいました。
ストップと言うよりどのレベルで回答すべきか迷ってしまったのです。

理事長さんの「どうしたらいいでしょうか?」という質問のニュアンスは、設置するためにはどのような手続きを経て行えばいいのでしょうか、ということらしいです。
面と向かってのご相談ならば、ご相談者のマンションに対する知識レベルを見ながら回答できるのですが、リビング誌という紙面での回答では、マンションに対しての知識について知っている人と知らない人とでは雲泥の差があり、その皆さんが対象です。
照準をどこに合わせればいいのか難しいところです。

初心者向けならば、「防犯カメラを設置するところは共用部分となりますので、総会で過半数の賛成を得て設置することになります。費用も発生しますし、閲覧についてプライバシーの事も考慮しなければなりません。まずはアンケートを取って皆さんのご意見を聞きましょう」って感じです。

中級者向けならば、「総会での決議が必要です。その形状もしくは効用が大きく変わらなければ、普通決議での承認となります。設置までの手続きとしては、まずは総会で設置についての承認を得ることとなりますが、その際業者選定については理事会一任ということも併せて承認を得るようにしてください。その後広く業者を公募します。そして、理事会で業者を1社に絞り、再度総会を開催し“○○業者に○○の内容で○○金額で発注しようと思いますがよろしいでしょうか”という承認を得て下さい。」となります。

上級者向けならば、「何度も総会を開催しなくてよいように、機種や設置個所についてのアンケートや説明会を実施しましょう。そして総会では、設置についての承認と、業者選定と発注についても理事会一任ということで承認を得て下さい。費用は管理費から支出することとなりますが、予備費などで不足する時は修繕積立金を取り崩すこととなるでしょうからこれについても承認を得るようにしてください。また、防犯カメラ閲覧細則についても予め作成しておいてこれについても承認を得られればベストです。使用細則の新設となりますので普通決議で結構です。」です。

紙上のご相談についての回答はかなり難しい。