マンション管理士の独り言・・・299

「確信的悪意者がいると、マンションは困っちゃう」

つぶやき主は、2ケ月に1度マンション管理センター福岡支部で開催されている「マンション問題研究会」に参加させてもらっています。
メンバーは北九州のマンション問題に詳しい弁護士先生、約20名です。
主にマンションでの裁判事例を中心に事件の概要~訴えの内容と主旨~相手方の言い分~判決~判決についてのコメント~今後の取り組み等が議論されます。
さすがに頭の良い方の考え方は違うな~って、感心する事ばかりですが、とってもためになります。

昨日は、市内の問題児のいるマンションの話でした。
この問題児はもう何年も管理費や修繕積立金、さらには駐車場料金を支払っておらず、管理組合はこの問題児=アンポンタンに対してそれら滞納金を支払えという裁判を起こし、勝訴判決を得ています。
しかし、勝訴判決なんてどこ吹く風で、相変わらず滞納金は支払いません。

そしてそのマンションで大規模修繕工事が実施されました。
外壁タイルの補修などもありますから、足場を掛けなくてはなりません。
それに伴い、マンション敷地内の駐車場に停めている車の移動を行わなくてはならず、管理組合では代替駐車場を用意し、掲示板等で入居者に知らせていました。
ところがこのアンポンタンが車を移動しません。
現場監督が車の移動をお願いしに行くと「俺は大規模修繕工事するなんて聞いてない」「あんな山の上の代替駐車場は遠い」なんて子供のようにダダをこねています。
仕方ないので、管理組合は弁護士を雇い、駐車区画を明け渡す仮処分申請を行いました。
執行官が赴いての強制執行日には、さすがにアンポンタンも車は移動しましたが、翌日にはまた同じ駐車区画に車を停めています。唖然です。

この様な場合、裁判手続き上は、一旦は車の移動という執行は完了していますので、また再度仮執行申請を行わなくてはならないそうで、この繰り返しならば遅々として問題は解決しません。
幸いに理事との間で、大規模修繕工事の間だけは車の移動を行うことになったようですが、今後は波乱含みです。

この問題がなぜここまで至ったかについては良く分からないようですが、人間関係のこじれがあったようです。
マンション購入当初は、このアンポンタンを含めマンションに住まう方は全員、“快適なマンションライフを!”“お隣さん同士気持のよいお付き合いをしたい!”と思われていたはずです。
なにがどう間違ったかわかりませんが、とにかく管理組合活動に求められているのは、適正かつ適法な進め方は勿論ですが、丁寧な対応も必要な気がしてならない勉強会でした。