マンション管理士の独り言・・・300

「駐車場充足率100%」

100戸のマンションで駐車場が100区画あれば、駐車場充足率100%です。
住戸1あたり、1つの駐車区画があてがわれる事になります。
しかし、100戸のマンションで100台分の駐車区画がありながら、駐車場充足率が80%のマンションがあります。なぜでしょう?

以前よりつぶやき主の独り言を読んでいただいている方ならば、すぐにピンッと来たかも知れません。
正解は分譲駐車場が20台分あるからです。

“分譲駐車場があったって、100戸の住戸に100台分の駐車区画があれば充足率100%で、1戸に1台分は確保されてるじゃん!”と思われるでしょうが、そう簡単に行かないのが世の中です。

分譲駐車場を購入した人は、「その区画は購入したんだから、私のもので、それとは別に、組合員という立場で管理組合が貸与する賃貸駐車区画に申し込めるじゃん」という理屈が発生します。
事実、このような申出を受け入れている管理組合もあります。
そこでは、分譲駐車場+賃貸駐車場とで敷地内に2台分を確保している人がいれば、押し出されちゃって1台も確保できず、敷地外に自分で駐車場を探して停めている人もいます。押し出された人は、駐車場までが遠いし、シャッターゲートもなく不用心だし、何より不公平だと感じつぶやき主へご相談へ来られています。

駐車場の運用については、衡平性を保つというのが大原則で、具体的な方法はその管理組合独自で決定していく事になります。
しかし、新築間もない時は、営業マンのトークが大きな影響を及ぼします。
新築時に、ある営業マンは「分譲駐車場を購入した人であっても、賃貸駐車場へ申し込めますよ」といい、もう一人の営業マンは「分譲駐車場を購入した人は、それで1台確保していますから、賃貸駐車場へは申し込めません。分譲駐車場を購入していない人達だけの抽選となります」と全く異なるトークをすれば、管理組合内がギクシャクしてくるのはわかりきっています。

また、同じ営業マンが敷地内に2台を確保したい購入希望者へは、「分譲駐車場を購入して1台は確保し、賃貸駐車場へも申し込めば、抽選にはなりますが、かなりの確率で2台目のゲット出来ますよ」といい、分譲駐車場を購入しない人に対しては、「駐車場充足率は100%ですから、賃貸駐車場は確保出来ますよ」というような使い分けも行われているようです。

マンション名は出しませんが、心当たりのある売主さんは「もっと、キチンと売ってよ。」

298の次は299であって300ではないことくらい小学生でもわかりますが、諸般の事情で299はお蔵入りとなりました。