マンション管理士の独り言・・・310

「ちょっとしたバトル」

文章のやりとりをしています。
相手が可愛らしい女の子ならばいいのですが、売主デベロッパーです。
つぶやき主は内覧会同行を行っていますが、その折にそのマンションの売買契約書や重要事項説明書、管理規約・使用細則、長期修繕計画の検証サービスを行っています。
小さな字でぎっしりと難解な文字が出てきますので、日ごろ条文なんかにあまり関係ない人には理解するのが難しいと思われるので優しく噛み砕いて説明しています。
その中でこれは一方的に売主に有利過ぎると思われるものや他の売主とでは扱いが異なる点、さらには改善するべき点なども書面にして説明しています。

この書面は、ご依頼いただいたお客様へ提出しているのですが、なぜかこの書面に対して当の売主さんが書面で回答してきました。
回答というより反論です。
「購入者に余計な知恵付けやがって!」って感じなのでしょう。
そうは思わずに、「ご意見ありがとうございます。参考にさせていただきます。」ってならないのでしょうか?企業としてのプライドが許さないのかな、とも思います。

いくつも回答になってないものがありますが、“これはないでしょう?”完全にアウトというものを一つ紹介します。
このマンションの管理規約では、駐車場の使用料の帰属先について、標準管理規約通りに“修繕積立金に充当する”と規定しています。
ところが当初の予算案には駐車場の利用料が管理費に充当されていましたので、“管理規約の規定と異なっています”、と指摘しました。
管理費は毎月消費されてしまいますが、修繕積立金は大規模修繕工事に備えて積み立てられるものですから、それぞれ別会計にしなくてはいけないものです。

これに対しての回答が「管理規約通り修繕積立金として積み立てれば管理費会計が赤字となり、不足分をその都度区分所有者の持分に按分して追加徴収しなければならない。そこで駐車場使用料は管理費へ充当し、そこで余分がでれば修繕積立金会計へ充当する方法が望ましいと思われます」です。

この文面の主旨は正しいと思います。実務的にこのように処理している管理組合も沢山あります。
しかし、つぶやき主の指摘とは論点がずれています。というよりわざと、すかしているのかも知れません。
このようにやりたければ、「駐車場使用料は管理費へ充当する」と規定すれば済む話です。そのように規定している管理規約は沢山あります。
売主や管理会社が、「管理規約の規定とは違うけど、実務上はこちらの方法の方がいいので、そうしています」はないでしょう。
売主自ら作成した管理規約をへっちゃらで破っておきながら、都合のいい時だけ売買契約書や重要事項説明書に書いています、ですか?

つぶやき主の指摘に対しては、「ご指摘通りでした。管理規約を書き換えるなどの方法を検討します」でしょ。