マンション管理士の独り言・・・314

「長期修繕計画」

つぶやき主の会社では内覧会同行を行っています。
そして、内覧会同行をご依頼いただいたお客様へは管理規約をはじめとする重要書類の検証を無料で行っています。
内覧会同行を依頼するのですから、当然重要事項の説明も受けているし、売買契約だってとっくの昔に完了しています。
しかし、それらお客様の3人に2人は長期修繕計画をもらっていません。
「長期修繕計画はもらいましたか?説明は受けましたか?」と尋ねても、「もらっていない。そんな書類あるんですか?」って答えが返ってきます。
「売主か担当営業マンからもらって下さい」といって、お客様が請求し、やっと渡されるケースがほとんどです。

更に言えば、その内容も粗いものがほとんどです。
ここ半年の間でかなり精度が高いなと感じたのはダイイチ合人社さんが作成した「アースコートディア西小倉」くらいです。
他は全部ダメです。ダメと言うより長期修繕計画の体をなしていません。
㎡数も分からず、工事内容や数量も不明。
“全く根拠はないけど、おおよそ15年でこれくらいかかるのではと思っています、だからあんまり突っ込まないで!”みたいなものです。

でも、お客様から請求してやっと長期修繕計画を提出する売主でさえ、まともと思える売主がありました。そして呆れた事に、つぶやき主の指摘に反論してきました。
武士の情けで社名は伏せますが、反論の文旨はお知らせします。
「長期修繕計画の提出は“優良マンション”の認定を受ける際は求められます。“優良マンション”以外のマンションについては、管理組合設立後、管理委託契約に基づき、長期修繕計画を作成し提案します。(中略)修繕積立金の額についても様々な要因によって変動しますので引渡し当初の額が変動したとしても直ちに不適切であると判断されるものではありません。」です。
上手な流麗な文章です。
しかし、この文章より読み取れる事は、
①優良マンション以外のマンションには長期修繕計画を提案しない
②当初の修繕積立金が変動(値上げ)しても不適切ではない

そして、この文章を読んだつぶやき主の感想ですが、
①長期修繕計画を提出しない売主なんて信用できない
②長期修繕計画がなくて、何を根拠にして修繕積立金額、修繕積立基金額を決めたのか?
③他の売主が長期修繕計画の精度を上げようと取り組んでいる姿勢を理解していない、つまり他社動向に鈍感
④自社売り上げ第一で、販売に都合の悪い情報は提供しない=決して、顧客本位とは思えない

優良マンションにしか長期修繕計画を提案しないとしておきながら、昨年8月付けで陳腐な長期修繕計画を作成していたのには笑っちゃいました。
最後の最後まで、わけのわかんない売主でした。