マンション管理士の独り言・・・322

「機械式駐車場」

昨日(4月2日)大阪で3歳のお子さんが機械式駐車場のパレットに挟まれて亡くなるという痛ましい事故が起きました。
操作盤で操作しているお母さんの反対側にいたお子さんが、ちょうど上がってくる車の死角に入り、お母さんからはお子さんがパレットに挟まれるのが見えなかったことが原因のようです。車高は160センチでお子さんは110センチだったようです。

機械式駐車場は操作盤でアップやダウンのボタンを操作する人が直接押すことで操作します。
現代のような文明社会ですので、離れた場所からリモコン操作できるようにするなんて簡単でしょうが、事故防止のために必ず操作する人が操作盤に触れて操作する仕組みになっています。

しかし、操作する人からは見えない場所(=死角)に小さなお子さんが入ってしまえば、今回のような事故がまた繰り返されるかもしれません。
今回の機械式駐車場は地下2階、上階1階の3パレットのようです。
3パレットでさえ、このような事故が起きるのですから、24パレットで1つの操作盤や、15パレットで1つの操作盤の機械式駐車場では、操作する人は十分気をつけてほしいものです。
24パレットで1つの操作盤なのは、つぶやき主がお世話しているマンションで、15パレットのほうは、西小倉駅前の九州1のっぽのマンションです。

しかし、いくら気を付けたって、死角は存在しますので、操作する人の注意力ばかりに頼ってはいられません。
設備のほうでも何らかの対処が急務だと考えます。
たとえば、
① 操作中にパレットが急に重みを感じたら緊急停止する。
②パレット昇降中にパレット内に立ち入ると赤外線のようなものが感知して緊急停止する。③なにか異物を挟み込んだら、その異物に触れたと同時に緊急停止する。

それ以外にも、いろいろ方法はあるのでしょうが、その辺はメーカーのもっと頭のいい方にお任せします。
しかし、何らかの安全方策がとられたら、それだけ分譲価格に跳ね返ってくるのでしょうね。

機械式駐車場は全く金食い虫です。
ついでに言えば、1パレットにつき、年間メンテナンス費用が約15,000円。
おおよそ20年目でパレット取り替えしなければならず、その費用が約150万円です。機械式駐車場はこのようにジャブジャブと管理組合のお金を食いつぶしますが、街中のマンションでは全住戸分の駐車台数を確保するためには機械式駐車場も仕方ありません。

今からマンション購入を検討している方は、そのマンションが機械式駐車場ならば、せめて1つの操作盤で何パレットをまかなっているのかぐらいは把握しておいて下さい。
できればゲートを上げるだけで出入りできる1階パレットがいいですよ。