マンション管理士の独り言・・・345

「工夫された管理規約」

つぶやき主は沢山のマンションの管理規約を持っています。
最近分譲のマンションのものは、ほとんど持っています。
管理規約だけでなく、売買契約書、重要事項説明書、使用細則、管理委託契約書、管理に関する承認書、長期修繕計画も揃っています。

特に最近管理会社さん変更のアドバイスを求められることが多くなりました。
今までならば、何となく「ウチの管理会社さんは委託料が高いんじゃない?」と思っていても、比較する対象がありませんでしたから、管理会社さんから「高くないっすよ!」と言われれば返す言葉がありませんでした。
ところがつぶやき主がいろんなマンションのいろんな管理会社さんの管理委託契約書を持っていますから、「同じ規模で、同じ仕様の○○マンションと比べれば高いっすよ」なんてアドバイス出来ちゃいます。
管理会社さんがつぶやき主のことを嫌いになるのは、良く分かります。

管理委託契約は、管理会社さんのサービスに対して対価がどうかを見比べるのに有効ですが、管理規約もその管理会社さんの工夫や実力がわかりますし、また管理組合に対する姿勢を見る事が出来ます。
そして、感心させられることも度々です。
工夫されている管理規約の1例をつぶやきます。
誉めているんだから、社名は隠す必要もないと思いますので実名でいきます。
日本ハウズイングさんのものです。
しかも原始管理規約でなくて20数年経っている管理組合に対しての管理規約改正の提案を行った際の改正(案)です。
高い管理委託料をもらっておきながら、20年以上経っても1度も管理規約の改正の提案さえ行わないどっかの管理会社とは大違いです。

この改正(案)でつぶやき主がなるほど、工夫しているなと思ったのは、滞納管理費が回収された場合の充当先に優先順位をつけているくだりです。
滞納管理費などが回収された際には、まず第1に駐車場等の使用料に、つづいて管理費、最後に修繕積立金に充当すると規定されています。
実務的にこのような運用をしている管理会社さんもありますが、これをキチンと管理規約改正として管理組合に提出していることが素晴らしい。
なぜ、最初に駐車場等の使用料に充当するのかといえば、仮にこの滞納者が当該住戸を売りに出した場合、買主が売主である滞納者の滞納管理費などの支払い責任を負うことになりますが、ここでよく問題になるのが、駐車場等の使用料です。
特定承継人(買主さん)から、「管理費・修繕積立金の滞納額は法律や管理規約で決まっている以上支払いますが、駐車場使用料はその人だから借りたのであって、私が借りていたわけじゃないから支払わない」と言われるケースが多いのです。
駐車場等の使用に関しては、属人性が高いと言われています。
そこでこのようなトラブルをなくすために、また管理組合として駐車場使用料もキチンと回収できるように、駐車場等の使用料等をまず1番に充当するとしているのです。
勉強させられた規定でした。

このような素晴らしい規定である事を当の日本ハウズイングさんや提案された管理組合さんが分かっているかどうかは、不明ですが・・・。