マンション管理士の独り言・・・35

2009年1月20日 (火)
駐車場使用料について

前回は、区分所有者が負担しなければならない管理費と修繕積立金について、その違いと駐車場などの使用料は、駐車場そのものの管理の費用として使用され(例えば機械式駐車場のメンテナンス費用など)、残りあれば修繕積立金に充当されるべきだと言いました。
されるべきだ、と言うのは標準管理規約には明確に修繕積立金に充当、と明記されていますが、強制力はないからです。
したがってこれと異なり、管理費に充当と管理規約に規定していても、区分所有者の方がそれでよければ、有効です。
しかしこの違いは大きく、マンション管理士としては、修繕積立金に充当すべきだと考えます。
管理費は、毎月の共用部分の保守・稼働・維持などに使用されるためほとんど残りません。これに対し、修繕積立金は将来の大規模修繕にそなえて計画的に積み立てられているものです。
駐車場などの使用料が、管理費に充当されたために、大規模修繕の際に修繕費用が不足し、1戸当たり何十万円の臨時出費になることも考えられます。
臨時出費があれば、大規模修繕工事案は総会で否決される可能性がとても大きくなります。臨時出費がないから、大規模修繕案に賛成なのであって、何十万円も臨時出費が必要なら反対、という人が多数出て案は否決となり、いつまでたっても大規模修繕工事が実施できずに、そのマンションはじょじょにスラム化していく、という最悪のパターンを想定して標準管理規約では、駐車場使用料は修繕積立金に充当するとなっています。
もし管理費だけでは、日常の管理業務を行えないというのであれば、駐車場使用料を充当するのではなく、管理費の値上げを検討するべきです。