マンション管理士の独り言・・・387

「重要書類検証」

つぶやき主は内覧会同行を行っています。
マンション管理士の内覧会同行ですから、検査するのは専有部分というハードな部分は勿論ですが、売買契約書や重要事項説明書、管理規約や長期修繕計画の検証も行います。
マンションと言うのは建物内部の専有部分の出来栄えと管理規約の精度とが相まって始めて快適なマンションライフが営めるというものです。

ここ数日は、管理規約とにらめっこしています。
にらめっこの相手は、長崎の大浦天主堂のすぐ側に建つ、プレミスト大浦海岸通り(売主:ダイワハウス)、と八幡東区のリビオ桃園パークフィールズ(売主:旧社名 新日鉄都市開発)、戸畑区のアーティックス戸畑グランゲート(売主:なかやしき)です。
特にプレミストとリビオは大手デベロッパーのものですから、分厚くて読みこなすのにも骨が折れます。こんなの隅から隅まで読む人はいないだろうな、と思いつつ読み進めます。

その中で今回はリビオ桃園パークフィールズについて、ほんの少しだけ教えてあげます。リビオ桃園という物件について専門家が読み解きます。

まず長所①水セメント比が50%程度ですから、とても強固なコンクリートです。ほとんどの物件が55%程度ですし、㎡当たり3300~3600tの圧縮強度があるとされています。他のマンションでは2400~3300t程度ですから、比較しても強固なコンクリートと言えるでしょう。
②スラブ厚がボイドスラブで300mm確保しています。他のマンションでは250~275mmくらいがほとんどですから、下階への遮音効果は優れていると考えられます。

では短所は、①残念ながら集会室がないですね。これくらいの規模ならば集会所は必要です。
②専有部分内では石油ストーブは禁止のようです。賃貸物件ではたまに見かける規定ですが、区分所有している分譲マンションではやり過ぎです。
③階下や隣戸とで騒音でトラブルになっても売主や管理会社は一切関係ないとしているところです。かなり売主に都合よすぎる規定です。

そして最後にアレッと思うものがあります。
ただ単に記載忘れなのか、それとも意図的に外しているのか分かりませんが、もし意図的ならば区分所有法に反するおそれがあります。
何よりこの規定がないと将来総会で大モメになりそうです。
これが何だかは、教えてあげない・・・・
何だろうと思っても素人じゃわかんないっすよ。

リビオ桃園パークフィールズは良くも悪くも、管理規約をはじめとする重要書類に工夫や特徴がみられる物件です。
購入された方は、あとで“知らなかった”“そうとは思わなかった”とならないようにこれら書類を熟読されることをお勧めします。