マンション管理士の独り言・・・391

「騒音問題・・・②」

つぶやき主って結構親切でしょ。
前回は騒音問題②を“そのうち、気が向けば、”なんて言っていましたが、もうつぶやいちゃいます。

騒音問題は、感覚論だけで上階の方に分かってもらうのは無理で、客観的事実が必要です。騒音計を使いましょう。
よく、被害者(=階下の方)から「何時から何時までがウルサイの、何ならその時間この部屋にいてもらっても構わない。泊まってもらってもいいから、ウルサイのを聞いてって!」なんて言われますが、泊まれるわけないっしょ。

そこで騒音計の出番です。
騒音計なんて持っていない、と言われるでしょうが、そんなの当たり前。
一般の家庭にあるものじゃありません。
区役所の街づくり整備課で貸してくれますよ、割と簡単に。その上無料ですよ。
これを借りて自分で測定します。1日だけじゃダメですよ。以下の裁判では27日間測定しています。

そしてウルササの客観的基準ですが、床の遮音性能がLL45とうたっている場合で
平成24年3月15日の判例では、
① 午後9時から翌朝7時までは40デシベル
② 7時から午後9時までは53デシベルを超えてはならない、
という基準が出されました。

これを超えている場合には、上階に対して改善を要求します。もし、これを超えていない時は、階下の方が過敏すぎ、受忍限度内ということになります。
この事実を突きつけられても上階からの騒音が止まらない時は、仕方ないけど裁判するしかないっしょ。

請求の仕方には2通りあります。
管理組合が共同の利益に反する行為として行為の差し止め、使用停止、さらには競売請求も可能ですが、これには総会での決議が必要なので(使用停止、競売請求は特別決議4分の3)、時間がかかりまた総会で否決される場合だってあります。
もう一つの方法が、所有権ないし人格権に基づく妨害排除請求と、不法行為に基づく損害賠償を請求することです。最近の実務では、こちらの方が大勢を占めています。

騒音問題は直近のマンション総合調査でも、違法駐車、ペット飼育とならび3大トラブルの一つです。平成5年の調査開始以来、ずっとこのビッグ3は変わりません。
それだけに厄介な問題なのですが、はっきり言ってこうすれば大丈夫なんて方法はありません。上の解決法もほんの一例です。参考にして下さい。

経験あるマンション管理士に依頼するのもいいかも・・・です。
まだまだたくさんの解決策を持っていたりして。