マンション管理士の独り言・・・393

「独占禁止法なんて、へっちゃらだい」

どのマンションにもエレベーターはついています。給水するためのポンプもついています。
このエレベーターやポンプについては、どのメーカーのどのタイプのものにするのか総会の決議などで住民の意見を聞いて決まるわけじゃなく、ましてや設置されているものでもありません。
新築であれ中古であれマンションを購入したら、たまたまエレベーターはA社のものだった、ポンプはB社のものだったという具合です。

しかし、このA社B社とは余程のことがない限り、後々までお付き合いしなければありません。
エレベーターは年に1度の法定点検が義務付けられていますし、多くのマンションでは月に一度の自主点検を行います。
最近は、設置されたエレベーターメーカーとは違う独立系のメンテナンス会社へ保守点検を依頼する管理組合さんも増えてきたようですが、やはり設置されたエレベーター系列の保守会社がメンテナンスを行っているのが大勢です。
独立系メンテナンス会社には、材料や部品を高値で売りつけるとか、納期をあからさまに遅れさせる、最悪の時は納品しないなんていうのもあったりして、独占禁止法で摘発されたことも数度に及びます。

そしてエレベーターの場合は30年後くらいにはリニューアルですが、いままでA社だったものは、余程のことがない限り、リニューアル後もやはりA社のエレベーターとなります。
技術的にはA社のエレベーターが収まっていた箱に他のメーカーのエレベーターを収めることは可能なようですが、やはりしっくりいきませんし、余計な費用もかかってしまいます。→→→A社エレベーターはリニューアル後もA社エレベーターとなります。

同じことがポンプにも言えます。
このメーカーのポンプがいいと、総会で決まったわけじゃありません。
売主や建設会社がどういう基準かはわかりませんが、そのメーカーを選んでいた、というだけのことです。
お世話しているマンションで昨年7月に大雨のため基盤が故障し、3基あるポンプがすべて停止してしまいました。
以前にも故障したことがあり、その時にはそのポンプを設置した設備業者に依頼したのですが、対応があまり良くなかったために今回は、別の設備業者に依頼しようとしました。その別の設備業者が、ポンプメーカーに見積もりを依頼しようとすると、そのポンプメーカーは「ポンプを設置した設備業者にしか見積もりは出せない」との返事です。
『何だよ、それ!!』。
止むを得ず設置した設備業者に依頼することになっちゃいました。

エレベーターメーカーやポンプメーカーは多いとは言えないまでも、数社あります。
リニューアルやメンテナンスに際しては、本来ならばいろんなメーカーから見積もりを取ってその中から決める、というのが望ましいのですが、なかなか現実にはそうはいかないようです。

こうやれば、儲かるんだ。ということをつぶやき主に教えてくれているようです。