マンション管理士の独り言・・・398

「テレビ共調アンテナ」

一昨年の七月にテレビ視聴方法が地上デジタル化へ変更となりました。
分譲マンションの場合には、大きな本体建物が建設されることにより、その陰になって、テレビの映りが悪くなってしまうということがあります。
いわゆる電波障害です。
その解決のためにマンション建物の上に近隣住戸用としてテレビ共調アンテナを建てます。

アナログ方式からデジタル方式への移行によってかなりのマンションで近隣への電波障害がなくなることが予想されました。
そこで多くのマンションでは、電波障害のある住宅を1件1件調査して、デジタル化により電波障害がなくなったと確認できたお宅へは、「マンションによる電波障害はなくなりますので、ご自分でケーブルを引くなり、UHFアンテナを建てたりして視聴してください」とご案内をして回ったことと思います。

この調査にはデジタルサポート(通称:デジサポ)があたり、期間中は無料で行ってくれました。
ほとんどのマンション管理組合ではデジサポに依頼し、無料で近隣の電波障害状況を調査確認したことと思います。

しかし、これを行っていない管理組合さんが結構あるようです。
自主管理ならまだしも、管理会社さんがついていながらデジサポ調査を行っていないケースもあるから驚きです。

そして最近になってなんかの拍子に、「まだうちのマンションには近隣用の共調アンテナついてるべ。もういらないなら取り外すべ」ですが、調査していないのでうかつに取り外すわけにはいきません。
「じゃ、調査するべ」となってもデジサポの無料サービス期間はとっくの昔に終了しています。
今から調査するとなると調査住戸1件につき20,000円くらいかかります。
この費用をどうするかで紛糾します。
「その当時の理事会がキチンとやっていたら、今になってこんな余分なお金を払う必要なかったのに。」「管理会社は何やってんだ。専門家のくせに。お前んとこが負担しろ。」なんて具合です。

こんな相談が持ち込まれます。
とにかく管理会社を悪者にしてお金を負担させようって意向のようですが、お金をもらって管理している管理会社は“そりゃ、悪い”。責任は大有りです。
でも全部が全部管理会社の責任かって言えば、当時の理事会にも責任あるし、突き詰めて言えば組合員も責任なしじゃないよな、って感じです。

とにかく、管理会社へ費用負担を相談して、その結果次第で総会を開催して、悪いことは悪いってお詫びすべき人はお詫びして、何とか費用を捻出するしかないじゃないっすか。

おいおい、みんな、もっとしっかりしろよ。って、いつまでたっても子供のようなつぶやき主に言われてりゃ、世話ないっすよ・・・。