マンション管理士の独り言・・・400

「総会議案書の作り方➔承認テクニック」

3月末に年度の締めを迎える管理組合では、そろそろ定期総会へ向けての議案書の作成にとりかかる時期になりました。
議案書の作り方ひとつで、承認となるかならないかに大きな違いが出てきます。
提出議案について、「理事会で議論を重ねた結果、A案がよろしいとなりました。A案でよろしいでしょうか?」としなければならないところを、「A案とB案のどちらがよろしいでしょうか?賛成の多い方を採用します。」とするのが1番悪いパターンです。
比較的少人数の理事会でさえA案かB案かで意見が割れ、ひとつにまとめ切れなかったものを、総会と言う大勢の組合員が参加する場で、意見がまとまるわけがありません。
議論百出で、継続審議になるのがオチです。

また、出されるであろう意見や質問に対し、予め想定問答などで準備しておくことも重要です。
あまり、専門的なことまでは調べておく必要はありませんが、最低でも議案の大筋は説明できるようにしておかなければなりませんし、そのための資料も必要です。
“好きで理事長やってるわけじゃないのに、そんなことまで調べられません”なんて発言するのもNGです。
“そんな発言するわけなかろうもん”、と思われるかもしれませんが、実際に今までこの発言を2度聞きました。
そしてその案は当然ですが、否決されちゃいました。

前向きで、しかも組合員の生活にも資する議案であっても、しっかりした返答ができずに廃案や継続審議になる例は結構あります。
分かりやすく、資料も整った議案書作成と丁寧な議事運行が求められます。

多くの管理組合では管理規約により総会の議長は理事長が務めますが、議事進行を他の方に任せることもOKです。
つぶやき主がお世話している管理組合さんでは、開始早々理事長が、「総会の議長は、管理規約○○条の規定により理事長である私が務めますが、議事進行は顧問であるマンション管理士のつぶやき主さんが行います」と発言し、それ以降の司会進行はつぶやき主が務めています。(実際は、つぶやき主さんとは言いませんよ・・・。)
そして、最後の閉会宣言の時に再度理事長へバトンタッチするという具合です。
大勢の人の前で議長なんてやりたくない、といわれる方は、議事進行役を別に決めておくのもアリですよ。

そして、承認された議案の運用方法などの細々したものは、「理事会へ一任」を予め取り付けることを忘れずに行いましょう。
理事会一任があれば機動性が確保され、以降の動きがとてもスムーズに運びます。

総会を無事に乗り切れますか?
ろくすっぽ理事会も開催してなくて、全部管理会社任せで、前年度からの引き継ぎ事項もほったらかし、なんて役員さんは今からでも真面目に取り組んだ方がいいっすよ。
まだ、間に合いますよ。でないと総会で集中砲火を浴びちゃいますよ。