マンション管理士の独り言・・・404

「いろんなマンション」

新聞に目新しいマンションの広告が掲載されていました。
福岡の業者さんが高齢者向けマンションを分譲しています。
面白い試みだなと思ってHPなどで確認しますが、全体概要が今一つ良くわかりません。マンションの専門家ですから気にかかる点が一般の人とはちょっと異なります。
高齢者をターゲットにしているのでしょうが、仮に相続が発生した場合、高齢に至らない方が相続するとどんなになっちゃうんだろう?
区分所有とはいえ所有権を取得するわけだから、ある一定以上の高齢の人にしか相続させちゃダメなんていうことはできないはずだし。
また、管理組合の運営は大丈夫かな?高齢者ばっかりじゃ、役員の成り手はそうそういないだろうし。
共用施設が多いようだけど、維持管理費がかかっちゃうな、テナントさんがあるようだけど住居店舗複合マンションならば管理組合は3つあるのかな?なんて考えちゃいます。
ハード面は兎も角、管理運営が滞りなくスムーズに運ぶように管理規約などはしっかりとしたものを準備してほしいものです。

さらにもう一つの広告記事が、これは別に目新しいものじゃありませんが、東京の業者さんが売り主で、「あなたも東京でマンションオーナーになれます」といったキャッチコピーの投資型マンションです。
世の中お金がだぶついているんですかね。う・ら・や・ま・し・い。
マンションを投資目的にしています。
これは、感心できませんというか、大っ嫌いです。
お金を出して購入するわけだから区分所有者になりますが、それと同時に組合員にもなるのです。
組合員としての義務は、はなから果たすつもりはなく、ただ利回りだけを求めています。

こんなのが上手くいくわけがありません。
まだマンションが新しいうちは入居者もあるでしょうが、月日の経過とともにこのマンションもだんだん煤けてきちゃって、しかも周りにもっと新しくて設備も充実しているマンションが出来たりして、やがて空室期間が増えてきます。
そしてもう何年も空室のままっていう状況になります。
空室のまま何年も経過しようとも管理費修繕積立金は負担しなければなりません。
空室状態が始まると多くの投資型マンションでは管理費修繕積立金の滞納が始まります。
この滞納を回収するのは至難の業です。
だってここに住んでいませんから、住所や連絡先を突き止めるのだってとても大変です。

ついでに言えば、このマンションの大規模修繕の時なんて大変です。
空室になって賃料は入らないし、ローンの支払いだってまだたっぷり残ってる、その上管理費修繕積立金は負担しないといけない、しかも大規模修繕工事を実施するに際して1住戸あたり○○万円の一時金の負担がある、・・・。
こんな状態で総会で承認されるわけありません。
そしてやがてこのマンションはスラム化していきます・・・。

どっかから、声がしてきました。海の向こうからです。
“総会が開催できるだけまだましじゃん。何度も総会を開催しようとしたけどまだ1度も開催できていない。組合員が各地にてんでんばらばらの投資型マンションで総会なんて開催できないよ。”
らしいですよ。