マンション管理士の独り言・・・413

「頼まれてもないのに、また余計なことしちゃった編」

また、頼まれてもないのに余計なことしちゃいました。
“お金にもならないし、こんなことばっかりやってるから儲からないんでしょ”と言われちゃいそうですけど。
でも性分です。死ぬまで治らないみたい。

余計なことっていうのは、とあるマンションで販売手数料が52,500円必要でした。そのマンションでは、販売会社さんが販売代理として売主さんから依頼を受けて販売していました。
その代理権の範囲は、①売買契約の契約締結業務、②売買代金請求に関する業務、③住宅ローンなどに関する事務手続きなどでした。
これらの業務を売主に代理して行うので、その手数料として売主から販売代理委託料をもらっています。
そうでありながら、更に買主(購入者)からも事務代行手数料と称して52,500円徴収するとあります。
これが気に入りません、というか売主から委託されている内容の中に契約締結業務が入っていて、それに対して対価も得ているのに、何故買主からも徴収するのか理解できません。

内覧会同行の折に、販売会社担当者へこの件を聞くと、「契約締結時に買主さんには納得してもらっている。またキチンと重要事項説明書にも記載している」「宅建業法で支払わなければならないとされたものではないが、契約自由の原則から双方合意しているので有効だ」「1人の人だけに免除すると、後で露見した時に問題となる」「この契約事務手数料を支払わないならば、引き渡しできない」とのことでした。

“そうですか、わかりました”とはならないところが、つぶやき主の執念深いところです。一種、病的かもしれません。
県庁の建築指導課宅建係へ連絡して調べてもらいました。
宅建係ではくだんの販売会社へもヒアリングを行ってくれました。
そして、先日結論めいた中間報告がありました。
「この件を正面から争った裁判例はまだ無いようです。望ましい契約形態ではないものの、書面に記載され売主買主双方が合意したということならば、直ちに違法ということにはならないのではないか」という報告でした。

しかし、契約行為について知識も経験もたっぷりある販売会社と、おそらく売買契約書でさえ初めて目にする買主とが同等の立場で契約締結を交わさなければならないのが現実です。
他の販売会社ではどのような扱いになっているのかなんて知る由もありません。
さらに売買契約書だって予め販売会社が用意したものです。
売買契約書の文言を変更するなんて出来っこありません。
その売買契約書で納得いかなければ購入できないとなります。
ですから、購入者はもっと勉強しなきゃダメですし、販売会社も襟を正さなきゃ、です。
消費者保護法や消費者契約法が出来たとはいえ、まだまだ消費者保護の視点からはお寒い状況が続きます。

残念ながらこのマンションへプレゼントできませんでした。