マンション管理士の独り言・・・422

「マンションの3つの老い」

マンションには2つの老いがあると言われています。
1つがマンションという建物そのものの老朽化による老い。
もう一つが、中に住んでいる入居者の老い、です。
ここまでは盛んに言われている事なので、“知ってるよ”って方もいらっしゃると思います。

そしてここからがつぶやき主の考えですが、マンションの老いにはもう一つあります。
それは、管理規約の老いです。
分譲当初売主さんから提案された原始管理規約を後生大事に使っている管理組合さんの何と多いことか。
“管理規約はそのままでも、総会でいろいろ変えて実情に合わせているから、いいんだよ”なんていう方もいらっしゃいますが、これはアウト。
そもそも管理規約の内容に反する総会の決議は無効とされます。
ちゃんと規約改正して、その後に総会の決議という手続きを踏まなくちゃ、です。

また、マンション法と言われる区分建物所有法や標準管理規約の改正に伴って、“うちのマンションの管理規約も法律(区分所有法)の改正に伴って自然と変わってるっしょ”なんていうノーテンキな人もいますが、そうはなりません。
例えば特別決議の議決権総数の4分の3なんていう数字は強行規定といって、そのマンション独自で変えられない、また変えても無効とされるもので、これは法律の改正によってそのマンションの管理規約で3分の2となっていても自然と4分の3に変わりますが、それ以外の任意規定と呼ばれる規定は、今まで通りの規定で何にも変わりません。

そして任意規定の場合は区分所有法より、その管理規約の方が優先されちゃいます。
いくら古くたって、現在のそのマンションの実情にあっていなくても優先です。
だから、実情に即したものに変えなきゃ、です。

でも変えればそれで良し、かというとそうではないですね。
何故、その規定を変えなきゃなんないのか、変えればどうなるのか、などをしっかり入居者の方に理解してもらい、その上でキチンと守ってもらって初めて管理規約改正となります。
集団生活ですから、生活するうえでのルールは実情に即したものに変えて少しでも住みやすくすることが大切ですよ。そうでないと、声の大きい、迫力のある、総会では怒声を浴びせる、なんていう人が半ば強引に自分の思い通りに何でもかんでも決めちゃいますよ。

管理規約改正のお手伝いしますよ。
総会の時期です。「マンション管理士(できればつぶやき主)に規約改正のアドバイスを受けようと思いますが、宜しいでしょうか?」と言う議案を一つでも多くの管理組合さんで提案されたらいいな、なんて思っています。