マンション管理士の独り言・・・434

「バルコニー手摺に布団を干しちゃいけないかについての考察」

現在分譲中のマンションは勿論、平成になって建てられたマンションのほとんどで、使用細則によってバルコニー手摺に布団を干すのは禁止となっています。
つぶやき主が販売センター長やってた時も「バルコニー手摺に布団干しちゃだめですよ。落下したら危ないっしょ。マンション全体の見栄えも悪いし」なんて言ってました。
どこのマンションでもバルコニーの布団干しは禁止だろうと思っていましたが、そうでもないことが最近になってわかりました。
新築ピッカピッカのマンションでも布団干しOKのところもあります。

そこで何故禁止なのかを考えてみました。
いけないという理由は、先ほどの2点につきます。
まずは、「落下したら危ない」ですが、ホントに危ないのでしょうか?
実験したわけじゃありませんが、枕は自重があるので重力で割と真っ直ぐ落ちていきそうです。
しかし、布団や毛布は真っ直ぐ下に落ちていきそうもありません。
落下の途中で開いて空中を漂いながらユラユラと落ちていくイメージかなって思います。また、風の強い日に布団干しする人もあまりいないだろうし、手摺に引掛けるときは大きな布団ばさみみたいなものを使うに決まっています。

それでも、“もし落下して通行人などに怪我をさせちゃったらど~すんの?”と言っても、管理組合には責任ないっしょ。
風の強いときに布団干す人が悪いし、布団ばさみを使わなかったのが悪いのであって仮に使用細則に“バルコニーでの布団干しOK”となっていても管理組合に責任は及ばないですよね。
「バルコニーに干していた布団が落ちてきて怪我したのは使用細則で布団干しがOKになっているからだ。管理組合の責任だ。」なんて理屈通らないですよね。
使用細則でOKしていてもその人の責任で干しているのであって、管理組合は関係ない、です。使用人が仕事中に他人に怪我をさせた場合にその雇用者にも責任が及ぶという不真正連帯債務を構成しません。

次にバルコニーに布団干していたらマンション全体の景観が悪い、っていう点ですが、つぶやき主は全くそんな感じは受けません。
それより、清潔感溢れ“今夜はふっかふかの布団で休めて気持ちいいだろうな”としか感じません。

じゃ何故、バルコニー手摺の布団干しは禁止なのかは、やはり売主さんがそのマンションの高級感を醸し出そうとしているとしか考えられません。
だからといって、使用細則で禁止されていることを奨励しているわけじゃありません。
マンション入居者の皆さんが生活しやすいように、使用細則も変えていけばいい、ということがいいたいのです。

つぶやき主は、バスの中で携帯電話で話している人が我慢なりません。
会話している人の話し声は周りの騒音にかき消されてちっとも耳障りじゃないのに、我慢できません。
よくよく考えてみると携帯電話での話し声がうるさくて迷惑だから我慢できないのではなくて、“車中では携帯禁止”というルールを守っていないという行為に我慢できないのです。仮にバスの中でも携帯Okというルールならば、全然怒らないと思います。

皆で住みよいマンションにするために管理規約・使用細則はあります。
生活をがんじがらめにするためにあるのでは、ありません。
もっと柔軟に使い勝手の良い管理規約・使用細則へ変えちゃいましょう。
その時はつぶやき主に、と最後はいつものように宣伝で終わります。