マンション管理士の独り言・・・435

「管理規約、使用細則改正のススメ」

マンションを購入して入居が開始され、生活が営なまれ始まります。
そして多くの人がまず最初に驚くのが、ほとんどの入居者が管理規約や使用細則を読んでいないという事実にです。
「ちゃんとルール守ってよ」です。

営業マンも売るのに大変で、入居後の生活のルールである規約や細則についての説明はほとんど行いません。
それらについての知識はほとんど皆無って営業マンもいたりします。
規約や細則は本来ならば、入居後に皆で集まって知恵を出し合って決めればいいのですが、入居が始まって規約や細則がないというのも何かと不便ですから、分譲当初は売主や管理会社が今までの経験や知識・情報をもとに規約を作っていて、(これを原始管理規約という)購入者全員に承認印をもらうことで、規約として発効する、ということになります。
ですから当初の規約にはそこにこれから長い間住まう事になる入居者の意見や都合、考えは全く反映されていません。

以前は皆があまり規約や細則を読まないのをいいことに、売主に一方的に有利な規定を忍び込ませるというような不届きな売主もいました。
例えば1階店舗部分に売主関連の業者が入り、その店舗には専用駐車場3台無料で付いている、とか管理費を極端に安く設定しているなんてこともありました。
現在ではそれほど露骨ではないものの、やはり“悪さ”を行う売主をチラホラ見ることがあります。

マンション購入時の重要事項説明書や売買契約書は重要な書類に違いありませんが、これらは契約締結時、契約当事者にのみ有効なものですが、規約や細則はそのマンションに住むうちはずっと守らなきゃいけないルールなのです。
規約や細則の方がずっと重要なものです。
マンション購入時には必ず読まなきゃいけませんよ。
もっとも素人さんでは読みこなすのは、まず無理でしょうし、もし読みこなせたとしても他のマンションとどう違うのか、国交省の標準管理規約との整合性はどうなのか、なんてことが分かるわけないのですが、そんな時はつぶやき主にお聞きください。

分譲当初の規約や細則は皆さんで話し合って決めたものじゃありません。
いわば、売主や管理会社から押し付けられたものです。
後生大事に抱え込んでおくのではなく、生活実態に合わせて適宜規約や細則の見直し、改正を行いましょう。

自転車だって新築時の規約や細則には、「自転車は自転車置き場に置くこと。ポーチなどに置くことは禁ずる」なんてなっていますが、しばらくすると間違いなくポーチに置く人が出てきます。
これを“細則違反だ”なんて目くじら立てるより、さっさと“ポーチに自転車は置いていい”って細則を変える方が実態に即していますし、防犯上も、さらには精神衛生上もいいに決まっています。

このあたりの提案さえ行わないような管理会社なんてとっとと変えりゃいいんですよ。
もっとも、管理会社をこんな前向きな提案さえしないままにほっといた理事会にも責任ありますし、どっちもどっちかな。

分譲当初の売主から“押し付けられた”規約や細則を抱え込まずに、もっと生活実態に即したものにどんどん改正しましょう。
また、改正についてノウハウや情報をたくさん持っている管理会社を使いこなさなきゃ、です。
お金を掛けても生活実態に合わせた、最新の規約・細則に改正したいという太っ腹な管理組合あればつぶやき主にご連絡ください。バッチグーですよ。