マンション管理士の独り言・・・436

「あんなところに頼んでら」

つぶやき主が販売センター長を務めていたマンションで大規模改修工事が実施されています。
役員さんからも“手助けしてよ”というお声もかかりましたが、修繕委員会が主体的にススめていくからと登板機会はありませんでした。

そして足場が組まれ、養生ネットが取り付けられました。
そのネットに請負建設会社の大幕が掲げられました。
「あんなとこに頼んでら」です。

その大幕を見た時に受注までのプロセスや今後どうなるかの大体のストーリーが見えてきました。
修繕委員会では業者決めに際して入居者から公募し、入札したのでしょう。
その結果、1番安いところ=今回の受注建設会社が決まったのだと思います。
入札に際して共通仕様書を作ったかどうかは定かではありません。
しかし、工事を施工している今の建設会社が1番安かったというのは、間違いないはずです。しかも他の入札参加業者よりも格段に安い金額だったはずです。

おそらく総会で、「修繕委員会、理事会で検討した結果、○○社に△△の金額で、□□の内容で発注しようとなりましたので、ご承認ください」として承認を得たのだと思います。
「なぜ○○社なのか?」という質問に対しては、「ここが1番安かったからです」との返答でしょう。
総会でも1番安かったということは相当な説得力があります。
仮に「実は○○社は金額では3番目に安かったのですが、これこれの理由で○○社が良いという結論に達しました」では、「何でもっと安いところがあるのに敢えて○○社にするんだ」と突っ込まれると言葉に窮したりします。
ですから理事会では“1番安いところに発注したい”という議案を提出することが一般的です。
○○社は、この総会の仕組みと言うか、盲点を知り抜いていますので、とにかく安い金額で受注を目指すのです。
そして一旦受注してしまえば、あとは追加工事、追加工事で当初の予算を大きくオーバーしちゃいます。
工事後に管理組合とトラブルになることもしばしばです。
つぶやき主が関与していたら絶対に発注しない、こんなカラクリを持った業者に発注していました。
キチンとした工事で適正な金額で終わればいいな、と心配しています。

別のマンションでは、当初見積もっていたタイルの数が実際は倍以上かかったので、その分の追加代金をおねがいします、と請求されて理事会ではおおもめに揉めています。

こんな裏の業界情報が沢山入って来ます。
表も裏もマンション業界に関しては、とても詳しくなっちゃいました。