マンション管理士の独り言・・・438

「賛成数の数え方」

先週末もマンションの総会へ出席しました。
提出された議案のほとんどは普通決議でしたが、規約の改正という議案がありましたので、これについては特別決議です。
議長さんが「この議案は特別決議となりますので、議決権総数の4分の3の賛成が必要です。」と発言しました。
そうです。特別決議は議決権総数の4分の3です。
普通決議は総会参加者の過半数ですが、特別決議は総会参加者ではなく、議決権総数が対象です。
ここまでは良かったのですが、続いて「4分の3の賛成数を数えるのは大変なので、この議案に反対の方は挙手願います」とやりました。
そして挙手した反対者はほとんどいなかったので、「4分の3以上の賛成と認め、本議案は可決されました」となっちゃいました。えっ、えっ、えっ・・・。

このような採決の方法は認められるでしょうか?こりゃマズイっしょ。

区分所有法や管理規約が求めているのは、賛成者の数であって、反対者の数ではありません。
反対として挙手しなかった人の全てが賛成とは限りません。
反対ではないけど、賛成でもないって方もいるでしょうし、棄権するって人だっているかもしれません。
あくまで賛成者の挙手を求めるべきです。

しかし幸いなことにこの採決方法には、大きな声も上がらなかったし、“まっいいか。承認”ってことで収めちゃいました。
本当は“採決の仕方がオカシイ”って言って採決をやり直し、改めて賛成者の数を確認すべきだったのでしょうが、急な展開でつぶやき主もそこまで頭が回りませんでした。

制限速度40キロのところを45キロで走行していても、スピード違反で捕まることはありません。
本来ならばたとえ5キロでもスピードオーバーはスピードオーバーとして検挙すべきですが、実際にはまず捕まることはありません。
これが許容範囲かなって、思っています。
マンション管理士も杓子定規に“規約違反だ。細則違反だ。総会はこうあるべきだ”なんて言っていたら、勤まりません。
というより、楽しいはずのマンションライフがギクシャクしちゃって面白くありません。
そのマンションごとの許容範囲を探し当てるのが大変ですが、これには経験しかないのかなって、思っています。

自分に都合のいいように解釈するのは得意です。